日本と南スーダンの関係

日本と南スーダンの関係

本項では、日本と南スーダンとの二国間関係について解説します。両国は、南スーダンが2011年に独立して以来、様々な分野で協力関係を築いてきました。

南スーダン独立までの経緯

南スーダンは、1956年にスーダンから独立したものの、北部スーダンとの間で長年にわたり内戦状態にありました。北部スーダンはイスラム教徒が中心でアラビア語を話す一方、南部スーダンはキリスト教徒やアニミズム信仰者が多く、英語を話すという文化的な違いが対立の根源にありました。2度にわたる内戦を経て、南部スーダンは国際社会の支援を受け、2011年1月に独立の是非を問う住民投票を実施しました。その結果、98.83%という圧倒的な賛成を得て、同年7月9日に南スーダン共和国として独立を果たしました。

日本は、南スーダンの独立をいち早く承認し、独立式典には政府高官を派遣するなど、南スーダンとの関係を重視する姿勢を示しました。

独立後の協力関係

南スーダン独立後、国際連合は平和維持活動のため、国連南スーダン派遣団（UNMISS）を設立しました。日本は、2011年11月にUNMISSに司令部要員を派遣し、翌年1月からは自衛隊施設部隊も派遣して、南スーダンの平和維持に貢献しました。

しかし、2013年に入ると、南スーダン国内で派閥争いが激化し、再び内戦状態に陥りました。この紛争により、多くの難民が発生し、人道状況が悪化しました。日本は、このような状況を受けて、人道支援に加え、南スーダンの選挙制度構築支援など、幅広い分野での協力を行うようになりました。

南スーダン国内の派閥抗争

南スーダンは独立後、初代大統領のサルバ・キール氏と、副大統領のリエック・マチャル氏との間で権力闘争が激化しました。2013年12月には、首都ジュバで両派による武力衝突が発生し、多くの犠牲者が出ました。その後も、断続的に各地で衝突が発生し、国内は混乱状態が続きました。

2016年7月には、再び大規模な武力衝突が発生し、国連職員や他国からの派遣員にも被害が及びました。日本も、自衛隊員や大使館員が避難するなど、安全確保に追われました。国際社会の調停によって一旦は停戦合意がなされたものの、その後も両派の対立は続いています。

日本の自衛隊派遣

日本の自衛隊は、南スーダンの平和維持活動のため、2012年から施設部隊を派遣してきました。施設部隊は、道路や橋などのインフラ整備を行い、南スーダンの復興を支援しました。しかし、2017年5月に部隊は撤退しました。これは、南スーダンの治安情勢が悪化したことや、部隊の活動が一定の成果を上げたことなどが理由として挙げられます。自衛隊の派遣は、日本の国際貢献活動として、大きな意義を持つものでした。

スポーツ交流

2021年に開催された東京オリンピックでは、南スーダンの陸上競技選手団が、群馬県前橋市で事前合宿を行いました。選手たちは、コロナ禍で帰国が困難になったため、前橋市で練習を継続し、市民の温かい支援を受けました。この交流は、両国間の友好関係を深める上で大きな役割を果たしました。また、選手たちは大会で素晴らしいパフォーマンスを見せ、南スーダンに勇気と希望を与えました。

今後の展望

南スーダンは、2024年に初の総選挙を予定しています。日本は、選挙制度の整備を支援するなど、南スーダンの民主化を後押ししています。両国は、今後も幅広い分野で協力関係を継続し、南スーダンの平和と安定に貢献していくことが期待されます。

外交使節

駐南スーダン日本大使館

首都ジュバに所在。

駐日南スーダン大使館

東京都港区に開設準備中。

関連情報

在南スーダン日本国大使館

日本の国際関係

南スーダンの国際関係

外部リンク

在南スーダン日本国大使館
在南スーダン日本国大使館 (Facebook)
南スーダン | 各国における取り組み - JICA
南スーダン派遣施設隊 | 統合幕僚監部
国連南スーダン共和国ミッション（ＵＮＭＩＳＳ） 日本派遣施設隊 (Facebook)
* 防衛省・自衛隊：ここが知りたい：南スーダンへの自衛隊の派遣について

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