日本における市外局番の変更

日本における市外局番の変更

日本における市外局番の変更は、電話サービスの自動化、電話番号の逼迫対策、市町村合併など、様々な要因によって行われてきました。ここでは、その歴史的背景と具体的な変更方法、そして現状について解説します。

歴史的背景

1961年、全国ダイヤル即時自動化のため、日本電信電話公社が単位料金区域と電話加入区域を基本として市外局番を制定しました。初期には手動式交換機に対応した7桁の市外局番も存在しましたが、技術の進歩とともに姿を消していきました。

1979年3月13日に収容局の自動化が完了し、1983年6月21日には静止衛星を利用した東京都小笠原諸島の自動化も実現しました。これにより、全国的に自動ダイヤル通話が可能となりました。

電話番号逼迫対策

2007年2月25日の小田原MA（箱根地区）の番号変更を最後に、電話番号逼迫対策による番号変更は行われていません。背景として、直収電話・0AB-J番号のIP電話の番号ポータビリティ、都市部での無線呼び出し番号の再利用、携帯電話・PHSなどの移動体通信の普及、050番号のIP電話への移行、そして国内の人口減少による固定電話の減少などが挙げられます。

市外局番の変遷

かつては7桁の市外局番や、市内局番なしで加入者番号の下4桁のみをダイヤルする地域も存在しましたが、2006年3月1日に北海道滝上町で市内局番が付与されたことで、全国すべての地域で市内局番が付くようになりました。

電話番号の桁数も変化しており、1991年1月1日に東京23区、1999年1月1日に大阪市で9桁から10桁への変更が行われました。そして、2007年2月25日に神奈川県小田原MAの箱根町区域が10桁化されたことで、固定電話番号は全国的に10桁に統一されました。

市外局番の変更方法

市外局番の変更には、主に以下の方法があります。

桁ずらし: 市外局番の末尾を市内局番の先頭に付け替える方法。電話番号逼迫対策として多用されました。
桁の増加: 電話番号が10桁に満たない場合に、市内局番または市外局番に数字を追加する方法。
* 単純な変更: 隣接するMAが同一市外局番の場合や、市町村合併の際に市外局番が変更されるケース。

現状

現在でも5桁の市外局番が一部地域に残っています。特に離島や山間部などで見られます。また、県庁所在地であっても、福井市、奈良市、鳥取市、松江市、佐賀市、宮崎市など、市外局番が4桁の地域が存在します。

市外局番「04」は、特定のMAで占有されているわけではなく、千葉県柏市、鴨川市、埼玉県所沢市など、広範囲で使用されています。そのため、同じ「04」の市外局番であっても、MAが異なると市内通話料金は適用されません。

沖縄県の市外局番

沖縄県では、1972年の日本復帰に伴い、市外局番が変更されました。復帰前は複数の市外局番が混在していましたが、復帰後は「098」で始まる番号に統一されました。その後、1983年には沖縄本島北部が「0980」に、1990年には沖縄本島中南部および周辺離島が「098」に統一されています。

変更が中止された地域

栃木県黒磯MAでは、電話番号の逼迫により市外局番の変更が計画されましたが、大田原MAとの統合要望が出たため、最終的に変更は中止されました。

まとめ

日本における市外局番の変更は、技術革新や社会情勢の変化に対応するために行われてきました。電話番号の桁数や市外局番の構成は、時代とともに変化し、現在では全国的に10桁の電話番号が普及しています。しかし、一部地域では5桁の市外局番が残っており、地域ごとの特性を反映しています。

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