日本の特別名勝一覧

日本の特別名勝は、文部科学大臣文化財保護法に基づき指定した、特に優れた景観を持つ場所です。これらの場所は、自然の美しさや歴史的な価値が認められ、日本の文化遺産として大切に保護されています。2019年7月現在、日本全国で36件が特別名勝に指定されており、その多様な魅力は訪れる人々を魅了し続けています。

北海道・東北地方



十和田湖および奥入瀬渓流(とわだこおよびおいらせけいりゅう):青森県と秋田県にまたがる十和田湖と、そこから流れ出る奥入瀬川によって形成された景勝地。美しい湖と渓流、豊かな自然が織りなす景観は、訪れる人々を魅了します。天然記念物としても指定されています。
毛越寺庭園(もうつうじていえん):岩手県にある毛越寺の庭園は、平安時代の浄土庭園の様式を今に伝える貴重な場所です。「毛越寺境内 附 鎮守社跡」として特別史跡にも指定されており、歴史的にも重要な場所です。
松島(まつしま):宮城県にある日本三景の一つ。大小260余りの島々が湾内に浮かび、その美しい景観は多くの人々を魅了します。四季折々の変化に富んだ風景を楽しむことができます。

関東地方



六義園(りくぎえん):東京都にある回遊式築山泉水庭園。江戸時代に造られ、和歌の趣味を取り入れた繊細な庭園美が特徴です。
小石川後楽園(こいしかわこうらくえん):東京都にある江戸初期に造られた大名庭園。中国の景勝地を模したとされる庭園は、都心にありながら自然を感じられる場所です。特別史跡としても指定されています。
旧浜離宮庭園(きゅうはまりきゅうていえん):東京都にある江戸時代の代表的な大名庭園。潮入の池や築山など、変化に富んだ景観が楽しめます。特別史跡にも指定されています。

中部地方



御岳昇仙峡(みたけしょうせんきょう):山梨県にある渓谷で、花崗岩が浸食されてできた奇岩や美しい渓流が特徴です。四季折々の自然美を楽しむことができます。
上高地(かみこうち):長野県にある中部山岳国立公園の一部。穂高連峰や梓川の美しい景観が広がり、登山やハイキングの拠点としても人気があります。特別天然記念物にも指定されています。
富士山(ふじさん):静岡県と山梨県に跨る日本最高峰の山。その美しい姿は日本の象徴として国内外に知られています。
黒部峡谷 附 猿飛ならびに奥鐘山(くろべきょうこく つけたり さるとびならびにおくかねやま):富山県にある日本有数の峡谷。急峻な地形と豊かな自然が特徴で、黒部川の雄大な流れや原生林の美しさが楽しめます。特別天然記念物にも指定されています。
兼六園(けんろくえん):石川県金沢市にある日本三名園の一つ。広大な敷地に池や築山、茶室などが配置され、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。
一乗谷朝倉氏庭園(いちじょうだにあさくらしていえん):福井県にある戦国大名朝倉氏の館跡にある庭園。発掘調査によって復元された庭園は、当時の文化や生活を垣間見ることができます。「一乗谷朝倉氏遺跡」として特別史跡にも指定されています。

近畿地方



天橋立(あまのはしだて):京都府にある日本三景の一つ。宮津湾に突き出た砂州が、まるで天に架かる橋のように見えることからその名がつきました。独特の景観は多くの人々を魅了します。
大仙院書院庭園(だいせんいんしょいんていえん):京都市にある大徳寺の塔頭、大仙院の書院庭園。室町時代の枯山水庭園の傑作として知られています。史跡としても指定されています。
大徳寺方丈庭園(だいとくじほうじょうていえん):京都市にある大徳寺の方丈にある庭園。禅宗の思想を反映した枯山水庭園で、静寂な雰囲気が漂います。史跡としても指定されています。
鹿苑寺(金閣寺)庭園(ろくおんじ(きんかくじ)ていえん):京都市にある金閣寺の庭園。金箔で覆われた舎利殿が有名で、池泉回遊式庭園と調和した美しい景観が特徴です。特別史跡にも指定されています。
龍安寺方丈庭園(りょうあんじほうじょうていえん):京都市にある龍安寺の石庭。白砂と15個の石を配置したシンプルなデザインは、禅の思想を表現しているとされています。史跡としても指定されています。
慈照寺(銀閣寺)庭園(じしょうじ(ぎんかくじ)ていえん):京都市にある銀閣寺の庭園。銀閣(観音殿)と池泉回遊式庭園が調和した、侘び寂びの世界を表現した美しい庭園です。特別史跡にも指定されています。
法金剛院青女滝 附 五位山(ほうこんごういんせいじょのたき つけたり ごいさん):京都市にある法金剛院の庭園。滝や池、築山などが配置され、自然の景観を取り入れた優美な庭園が特徴です。
天龍寺庭園(てんりゅうじていえん):京都市にある天龍寺の庭園。嵐山を借景とした池泉回遊式庭園で、自然と調和した美しい景観が楽しめます。史跡としても指定されています。
二条城二之丸庭園(にじょうじょうにのまるていえん):京都市にある二条城の二之丸にある庭園。江戸時代初期に造られたもので、武家風の豪壮な雰囲気が特徴です。
金地院庭園(こんちいんていえん):京都市にある金地院の庭園。鶴亀の庭として知られ、禅の思想を反映した美しい枯山水庭園が楽しめます。
本願寺大書院庭園(ほんがんじだいしょいんていえん):京都市にある本願寺の大書院にある庭園。豪壮な雰囲気が漂う池泉庭園です。史跡としても指定されています。
西芳寺庭園(さいほうじていえん):京都市にある西芳寺(苔寺)の庭園。苔に覆われた庭園は幻想的で、美しい緑の世界が広がります。史跡としても指定されています。
醍醐寺三宝院庭園(だいごじさんぼういんていえん):京都市にある醍醐寺の三宝院にある庭園。桃山時代の豪華な雰囲気が特徴で、美しい池泉庭園が楽しめます。特別史跡にも指定されています。
浄瑠璃寺庭園(じょうるりじていえん):京都府木津川市にある浄瑠璃寺の庭園。平安時代の浄土庭園の様式を今に伝える貴重な庭園です。史跡としても指定されています。
平城京左京三条二坊宮跡庭園(へいじょうきょうさきょうさんじょうにぼうみやあとていえん):奈良市にある平城京の宮跡にある庭園。古代の庭園の遺構が発掘され、当時の庭園の様子を垣間見ることができます。特別史跡にも指定されています。
平城宮東院庭園(へいじょうきゅうとういんていえん):奈良市にある平城宮の東院にある庭園。古代の庭園の遺構が発掘され、当時の庭園の様子を垣間見ることができます。
瀞八丁(どろはっちょう):和歌山県にある熊野川の渓谷。奇岩や巨岩が連なるダイナミックな景観が特徴です。天然記念物にも指定されています。

中国・四国地方



岡山後楽園(おかやまこうらくえん):岡山県岡山市にある日本三名園の一つ。広大な敷地に池や築山、茶室などが配置され、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。
三段峡(さんだんきょう):広島県にある峡谷。原生林や滝、淵などが織りなす自然豊かな景観が特徴です。
厳島(いつくしま):広島県にある日本三景の一つ。海上に浮かぶ朱塗りの大鳥居が有名で、その美しい景観は多くの人々を魅了します。特別史跡にも指定されています。
栗林公園(りつりんこうえん):香川県高松市にある江戸時代の大名庭園。広大な敷地に池や築山、茶室などが配置され、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。

九州・沖縄地方



虹の松原(にじのまつばら):佐賀県にある海岸沿いの松原。美しい砂浜と松林が広がる景観は、日本の名勝として知られています。
雲仙岳(うんぜんだけ):長崎県にある活火山。四季折々の美しい自然景観を楽しむことができます。指定名称は「温泉岳」となっています。
識名園(しきなえん):沖縄県那覇市にある琉球王家の別邸庭園。中国の影響を受けた独特の庭園様式が特徴です。

これらの特別名勝は、日本の自然や文化、歴史を深く理解するための重要な場所です。それぞれの場所が持つ独特の魅力に触れて、日本の美しさを再発見してみてはいかがでしょうか。

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