日本アマチュア無線振興協会

一般財団法人日本アマチュア無線振興協会（JARD）について

一般財団法人日本アマチュア無線振興協会（JARD）は、アマチュア無線の健全な発展を目的として設立された非営利団体です。アマチュア無線に関する様々な業務を行い、日本の電波利用の発展に貢献しています。略称として「ジャード」と呼ばれています。

設立の背景

アマチュア無線局の無線設備に技術基準適合証明が適用されるようになった際、アマチュア無線に特化した証明機関が必要となりました。そこで、郵政省（現在の総務省）の行政指導により、日本アマチュア無線連盟（JARL）から養成認定部門が分離され、財団法人としてJARDが設立されました。これは、アマチュア無線技士の養成と無線設備の保証認定が公益性の高い業務と判断されたためです。

主な業務

JARDの主な業務は以下の通りです。

無線設備の技術基準審査
無線従事者の養成
電波利用秩序の維持への協力

特に、アマチュア無線技士の養成課程と無線設備の技術基準適合証明、保証認定が重要な業務となっています。

アマチュア無線技士の養成課程

JARDでは、アマチュア無線技士の養成課程を1993年から開始しました。当初はJARLから引き継いだ第三級・第四級アマチュア無線技士（3アマ・4アマ）の養成課程が中心でしたが、2015年からは第二級アマチュア無線技士（2アマ）の養成課程も開始しています。

養成課程の特徴

多様なコース:
第4級標準コース
第3級短縮コース
第2級短縮コース

学習方法:
eラーニング方式
集合方式
CBT（Computer Based Testing）方式での修了試験

JARDでは、eラーニングやCBTを積極的に導入し、受講者の利便性を高めています。また、過去に修了試験に不合格になった場合や、未受験者に対する再受講制度も設けています。

JARD独自の取り組み

JARDハム教室での平日コースやビギナーズセミナーの実施
中学生以下を対象とした夏休みコース
盲人向けのコース
受講料の割引制度（年齢や人数などの条件あり）
養成課程の教科書の発行と市販（他団体の養成課程でも使用可能）
修了者向けの交流サイト「HAMtte」の運営

技術基準適合証明

JARDは、1991年にアマチュア無線用無線設備の技術基準適合証明機関として指定されました。2001年には、第三種無線設備の証明機関となりましたが、アマチュア無線以外の無線設備に関する実績はありません。近年では、メーカーが工事設計認証を利用する傾向にあるため、技術基準適合証明の申請は減少していますが、個人からの申請にも対応しています。

保証認定

JARDは、1992年からアマチュア局の開設・変更時の保証認定業務を開始しましたが、2001年に一時TSS株式会社に業務を移行しました。しかし、2014年からは再びJARDが保証認定業務を再開し、利用者は任意に選択できるようになりました。

スプリアス確認保証

無線設備の技術基準改正により、旧技術基準に基づく無線設備は使用期限が定められました。そこで、JARDは旧技術基準の無線設備が新スプリアス基準に適合するかを調査し、適合する機種については「スプリアス確認保証」を提供しています。2016年からは「スプリアス確認保証可能機器リスト」を公開し、保証認定業務を開始しました。

基本保証の制度改定

2017年からは、アマチュア局の開設・変更時の保証認定である基本保証は、新スプリアス基準に適合する機器のみが対象となりました。旧技術基準の機器については、スプリアス確認保証を受けるか、新スプリアス規格を満たす証明資料を提出する必要があります。

測定サービス

JARDは、2016年から無線機器の測定サービスを開始しました。アマチュア無線家が無線機を持ち込み、所定の項目を測定するサービスです。2017年からは、測定器室を開放し、アマチュア無線家が自分で測定することもできるようになりました。

沿革

JARDは、アマチュア無線の発展とともに歩んできました。以下に主な沿革をまとめます。

1991年: JARLから養成認定部門が分離し、財団法人として設立
1992年: 保証認定業務を開始
1993年: 養成課程を開始
2001年: 保証認定業務をTSS株式会社へ移行
2011年: 一般財団法人へ移行
2014年: 保証認定業務を再開
2015年: 第2級短縮コースを開始
2016年: スプリアス確認保証業務を開始、HAMtteを開設
2017年: 第3級標準コースを開始、測定器室の一般利用を開始
* 2019年: ドローンのアマチュア無線利用で日本UAS産業振興協議会との連携を開始

JARDは、アマチュア無線の健全な発展のため、これからも様々な活動を続けていきます。

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