日本コーンスターチ

日本コーンスターチ株式会社は、1868年（慶応3年）に愛知県で創業した、コーンスターチをはじめとする食品素材の製造・販売を行う老舗メーカーです。コーンスターチ製造においては、日本食品化工、加藤化学とともに国内大手3社の一角を担っています。

事業概要

同社の事業の中核は、コーンスターチ、異性化糖、化工澱粉の製造です。これらの製品は、食品業界のみならず、製紙、医薬品、化粧品など幅広い分野で利用されています。近年では、環境問題への関心の高まりから、生分解性プラスチック「エバーコーン」の製造にも力を入れています。

沿革

日本コーンスターチの歴史は、1868年（慶応3年）に倉地嘉六が愛知県西尾市一色町で創業した小麦澱粉類製造業に始まります。その後、1948年（昭和23年）に倉地澱粉化学工業合資会社が設立され、1955年（昭和30年）にはコーンスターチの製造を開始しました。

1962年（昭和37年）に日本コーンスターチ株式会社が設立され、1963年（昭和38年）には倉地澱粉化学工業合資会社と合併しました。以降、製油部門への進出（1966年）、糖化部門への進出（1967年）、米国企業との技術提携（1972年,1979年）など、事業を多角化させながら成長を遂げてきました。

1993年（平成5年）には生分解性プラスチックの製造を開始し、環境問題への取り組みもスタートしました。2005年（平成17年）には本社を東京都港区に移転し、2019年（令和元年）には現在の虎ノ門に移転しています。

主な製品

コーンスターチ：トウモロコシを原料とする澱粉で、食品、工業用など幅広い用途に使用されます。
異性化糖：トウモロコシ澱粉を原料とした甘味料で、清涼飲料水などに使用されます。
化工澱粉（Modified starch）：澱粉を加工して機能性を高めたもので、食品の食感改良などに使用されます。
コーン油：子会社の日コン株式会社が製造するトウモロコシ油です。
段ボール用糊：コーンスターチを原料とした段ボールの接着剤です。
生分解性プラスチック「エバーコーン」：コーンスターチを主原料とする環境に優しいプラスチックです。

事業所

日本コーンスターチは、本社を東京都港区に置き、国内に複数の事業所、営業所、工場を展開しています。海外にも関連会社を有し、グローバルな事業展開を行っています。

本社：東京都港区赤坂
イースト東京：東京都港区赤坂
ウエスト大阪：大阪府大阪市淀川区
ウエスト名古屋：名古屋市中村区
受注センター：東京都港区赤坂
衣浦事業所：愛知県碧南市
東京工場：茨城県神栖市

関連会社

国内
日コン株式会社：コーン油の製造
衣浦ユーティリティー株式会社：衣浦食品コンビナートへのユーティリティー供給
中日本グレーンセンター株式会社：輸入穀物サイロの管理・運営

海外
EverCorn,Inc. (アメリカ)：トウモロコシの調達
TAPIOKA DEVELOPMENT CORP.,LTD. (タイ)：タピオカ澱粉の製造

主な受賞歴

同社は、長年にわたり、モンドセレクションをはじめとする数々の賞を受賞しており、製品の品質の高さが評価されています。特に糖化製品は、モンドセレクションで15年連続金賞を受賞するなど、高い評価を得ています。また、2017年には、米国大使館より “U.S. Agriculture Hall of Fame” を受賞し、米国農産物貿易への貢献が認められました。代表取締役社長の倉地聡一郎氏は紺綬褒章を受章しています。

日本コーンスターチは、伝統と革新を両立させながら、食品素材の分野で社会に貢献し続ける企業です。

関連項目

清涼飲料水
ビール
糖化
製紙
錠剤
化粧品
バイオプラスチック
日本スターチ・糖化工業会

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