日本ライトハウス

社会福祉法人日本ライトハウス：視覚障害者のための総合的な支援

社会福祉法人日本ライトハウスは、視覚障害者が文化的な社会生活を送れるよう、多岐にわたる支援活動を行う総合的な社会福祉施設です。1922年、盲目の岩橋武夫氏によって大阪で点字出版事業として設立された日本ライトハウスは、今日まで、視覚障害者の社会参加促進と社会全体の理解増進に尽力してきました。

歴史と理念

創設以来、点字図書の制作・貸出、職業訓練、相談支援、生活支援などを通して、視覚障害者の自立を支援してきました。特に1937年と1948年にはヘレン・ケラー氏を招へいし、大規模な全国キャンペーンを実施。これらの活動は、1949年の身体障害者福祉法公布に大きく貢献しました。

2012年の90周年を機に、「社会の公器としての自覚」「信頼されるサービスの提供」「温かいサービスの提供」「時代に応じた組織づくり」という4つの基本理念を制定。職員倫理綱領や行動規範を定め、透明性と倫理性を重視した組織運営を推進しています。

多様な事業内容

日本ライトハウスは、複数の事業所を展開し、多様なニーズに対応する包括的な支援を提供しています。

1. 視覚障害リハビリテーションセンター:

日常生活支援、歩行指導、就労支援、指導員の養成、家庭訪問、介護事業などを行い、視覚障害者の社会復帰と地域生活の定着を支援しています。近年は、地域福祉の観点から、生活上の困難を抱える人々への相談事業にも力を入れています。

2. 盲導犬訓練所:

全国への盲導犬の普及・育成、盲導犬を用いた歩行指導、盲導犬のケア方法に関する訓練事業を実施しています。

3. 点字情報技術センター (TeCTI):

点字教科書、児童図書、自治体広報誌などの点字資料、駅や公共施設の点字表示などを製作しています。触図製作など、専門的な技術を駆使した高品質な点字資料の提供に努めています。

4. 情報文化センター:

点字図書や録音図書の製作・貸出に加え、視覚障害者用具やICT機器の利用支援、電子書籍（マルチメディアデイジー図書など）、音声解説付き映画やテレビ番組などの製作・普及活動を行っています。

支援体制

これらの事業は、多くのボランティアの熱心な支援によって支えられています。特に、制度的な支援が不足している盲導犬訓練所事業や、時代のニーズに対応するための実験的な事業は、寄付金によって維持されています。

施設所在地

本部、視覚障害リハビリテーションセンター：大阪市鶴見区
点字情報技術センター (TeCTI)：東大阪市
情報文化センター：大阪市西区
盲導犬訓練所：南河内郡千早赤阪村

著名な出身者

浅川智恵子氏（情報処理学科）：工学博士、日本科学未来館館長（第2代）

関連団体

京都ライトハウス

日本ライトハウスは、今後も視覚障害者の生活の質向上に貢献し、インクルーシブな社会の実現に向けて活動を続けていくでしょう。

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