日本長期信用銀行

株式会社日本長期信用銀行に関する詳細

概要

株式会社日本長期信用銀行（にっぽんちょうきしんようぎんこう、英: The Long-Term Credit Bank of Japan, Limited、略称: 長銀）は、日本でかつて存在した長期信用銀行です。この銀行は、1952年に設立され、以降長期資金の安定供給を図ってきました。特に、長期信用銀行法に基づいて設立され、日本興業銀行や日本債券信用銀行と共に、国の経済成長を支える役割を果たしました。しかし、バブル経済の崩壊に伴い、巨大な不良債権を抱えることになり、1998年には経営が破綻して一時国有化されました。その後、アメリカの投資ファンドに売却されて2000年には新生銀行として再スタートを切りました。

設立と沿革

日本長期信用銀行は、1952年の設立当初からその目的を明確にしていました。設立は当時の財務大臣・池田勇人の主導のもと行われ、長期資金の安定供給を目指す政策の一環として位置づけられました。設立時の資本金は7億5千万円で、初代頭取には大蔵省出身の原邦道が就任しました。

同銀行は、1953年には大阪支店を開設し、翌年には札幌支店も設置しました。さらに業務展開を続け、数年の内に様々な支店を設置し、国内でのブロック店舗の整備を進めました。これに伴い、貸出残高は急増し、特に高度成長期には製造業への融資を積極的に行い、日本経済の発展に貢献しました。

バブル経済とその後

1970年代から1980年代にかけて、日本はバブル経済を経験しました。長銀もこの波に乗って、企業への積極的な融資を行いました。この時期には、国内外の市場でのプレゼンスを拡大し、国際的な業務にも積極的に取り組みました。また、金融債券の発行や、ロンドンやニューヨークなどに支店を設けるなどし、国際業務を進展させていきました。

しかし、バブル崩壊が始まると、長銀は巨額の不良債権を抱えることになり、経営は急速に悪化しました。特に不動産関連の融資が足を引っ張り、経営陣は不良債権の隠蔽や粉飾決算に手を染めます。この不正が明るみに出ると、経営破綻は避けられない状況に至ります。

経営破綻と国有化

1998年、日本の金融危機は極まります。その中で、長銀は国有化の道を辿ります。政府による救済策の一環として、金融再生法が施行され、長銀は特別公的管理銀行として一時国有化されます。この間、銀行の旧経営陣には粉飾決算や不正融資などが問題視され、逮捕者も出る事態となりました。

新生銀行への転換

長銀は1998年の経営破綻後、2000年にアメリカのリップルウッドを中心とした投資組合に売却され、新たに「新生銀行」として再スタートを切ります。この新しい銀行は、再生の道を歩む一方で、長銀時代の教訓を生かし、新たな経営基盤の構築を目指します。

まとめ

株式会社日本長期信用銀行は、設立からバブル経済、そして経営破綻を経て新生銀行へと変貌を遂げた歴史を持つ金融機関です。その繁栄の背景には、長期資金供給という使命感がありましたが、時代の波に翻弄される中、様々な教訓を残したといえます。

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