日本傷痍軍人会

日本傷痍軍人会について



概要



日本傷痍軍人会（にほんしょういぐんじんかい）は、旧日本軍の傷痍軍人を中心とした支援団体として1952年に設立されました。会の略称は日傷（にっしょう）で、東京都を本部とし、全国47都道府県に支部を展開していました。この団体は、主に日中戦争や太平洋戦争で負傷した元軍人から成り立ち、会員の相互扶助や生活相談を行いながら、彼らの権利と生活向上に寄与することを目指していました。

解散時点では、傷病者の記念館であるしょうけい館も管理し続けており、この施設は日本傷痍軍人会の解散後も別の管理主体によって運営され、現在も存在しています。月刊紙「日傷月刊」を発行し、会員への情報提供や意見交換の場として機能していました。

歴史的背景



日本傷痍軍人会の前身である大日本傷痍軍人会は1936年に設立されたものの、当時政府の指導により1946年には解散を余儀なくされます。戦後の混乱の中では傷痍軍人に関する組織ができることは難しく、長い年月が経った1956年にようやく新たに日本傷痍軍人会が設立されました。設立当初から、組織は傷痍軍人の権利向上を求めつつ、自由民主党との密接な関係を維持して政治的な影響力を持っています。

会員数は1955年に35万人を数えたものの、高齢化が進むにつれて年々減少し、2012年には5110人にまで落ち込みました。その会員の平均年齢は92歳に達し、組織運営は非常に厳しい状況に置かれていました。2013年11月、最終的に活動を続けることが困難となり解散が決定されました。解散に際しては、最後の式典が明治神宮で行われ、当時の天皇や皇后、そして首相も出席しました。

一部の地方組織は活動を続けましたが、特に長崎県の傷痍軍人会は2019年に、会員の高齢化と数の減少により解散することになりました。このような変遷は、日本の戦争に関連した団体の歴史を物語っています。

沿革




書籍




関連項目



日本の傷病者に関連する様々な組織や法律、戦争記念施設についても関連性があります。特に、退役軍人や戦傷記念に関する法律（恩給法や戦傷病者特別援護法）などが重要です。また、心的外傷後ストレス障害（PTSD）や戦争に伴う歴史、文化についてもその影響を考える上で無視できません。国際的にはアメリカ傷痍軍人会や欧州軍人協会とも比較されるべき存在です。

このように、日本傷痍軍人会は戦争から派生した多くの問題や課題に向き合い、時代と共にその役割を果たしてきました。

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