日本共産党第12回大会

日本共産党第12回大会の概要

1973年11月14日から21日にかけて、日本共産党第12回大会が行われました。この大会はウェリス・テンプスの目黒公会堂、品川文化会館、立川社会教育会館の3会場で開催され、党の重要な政策と方針を議論する場となりました。特に前年の総選挙で野党第2党としての立場を強化したことを受けて、民主連合政府に向けた新たな政策が提案された点が注目されます。

大会の主な内容

この大会では、綱領と規約の改正が行われました。特に、従来使用されていた『プロレタリアートの独裁』という表現を『執権』に変更することが決定され、これにより党の方針がより明確に表現されることとなりました。これらの改正は、党の理念や戦略を革新し、より広範な支持を得るための重要なステップと位置づけられました。また、中央監査委員会の構成も見直され、これまでの党大会による選出から、中央委員会による任命とする形に変更されました。

沖縄人民党との関係

大会の直前には、沖縄人民党が日本共産党沖縄県委員会に改組を行い、新たな体制で大会に参加しました。沖縄からは、委員長の瀬長亀次郎が代議員として出席し、副委員長にも選ばれました。このような動きは、日本共産党が全国的な影響力を強化するための積極的な戦略と見受けられます。

来賓の参加

大会にはさまざまな来賓が参加しました。特に、京都の蜷川虎三、東京の美濃部亮吉、大阪の黒田了一の3人の知事が訪れ、革新地方自治体のリーダーとして挨拶を行いました。また、9月に発生したチリのクーデターによって解体された人民連合政府に関しては、チリ共産党からも代表が出席し、国際的な連帯の重要性が強調されました。

中央委員会の選出

大会の結果、新たに選出された中央委員会のメンバーには、議長に野坂参三、幹部会委員長に宮本顕治、書記局長には不破哲三が選ばれました。これにより、党の指導体制も一新され、今後の活動に対する期待が高まります。

まとめ

日本共産党第12回大会は、政策の刷新や組織の見直しを通じて、党の方向性を大きく変える重要な会議でした。これにより、野党としての立場を強化しつつ、より広範な支持を得るための基盤が整えられたと言えるでしょう。

もう一度検索