日本共産党第8回大会

日本共産党第8回大会の概要

1961年7月25日から31日まで、世田谷区民会館で行われた日本共産党第8回大会は、党の未来を左右する重要な会議でした。この大会では党綱領の草案についての論議がメインテーマとなり、多くの党員の賛同と反対が交錯しました。

大会に先立ち、党内では綱領草案への賛成キャンペーンが広く展開されました。党の機関紙や他のメディアを通じて、草案の理念が広められ、党の方針を支持するための発信が相次ぎました。しかしその一方で、春日庄次郎など、一部の党員は綱領案に反対の立場を取ったことで対立が生じました。

大会直前には、人々の注目を集める中、春日たちの反対派は独自の刊行物や声明を発表。また、中には「一時離党」を宣言し「日本共産党万歳！」と叫ぶグループも見受けられましたが、党側はこのような行動に対し、離党を受け入れず除名処分を下しました。このような厳しい対応は、党が内部での意見の相違を容認しない姿勢を明示していました。

さらに、新日本文学会に所属していた一部党員は、組織を横断する分派集団を結成し、連名での意見書や声明を作成しました。これらの内容は、報道機関を通じて公表され、党内の緊張感を高める要因となりました。

党大会当日、討論が進む中で中野重治が発言し、「皆さんの議論を耳にして、綱領草案を基本的に理解できるところに至った」といった内容で意見を変更する代議員や評議員も現れました。この発言は、若干の柔軟性を示すものであり、他の党員に多くの影響を与えました。

最終的に、党綱領草案は満場一致で採択されることとなります。この新しい党綱領は、1960年に開催された81カ国共産党・労働者党会議の決議にも則ったものと位置付けられました。内容としては、日本が米国の影響を強く受けた従属国であること、そのための闘争の必要性、さらには日本国内の独占資本との大衆的闘争の必要性が強調されました。

この党綱領は、社会主義革命を直接的に目指すのではなく、「反帝・反独占の人民の民主主義革命」を推進することを掲げ、そこから段階的に社会主義革命へと進む方針が示されました。

また、大会では新たに中央委員会と中央統制監査委員会の選出も行われました。第1回中央委員会では、野坂参三が議長に、宮本顕治が書記長に選ばれ、党の運営体制が整いました。

以上のように、日本共産党第8回大会は、党の方針を定める重要なターニングポイントとなり、その後の党の方針や活動に大きな影響を与えることになりました。

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