日本共産党（解放戦線）

日本共産党（解放戦線）の概要

日本共産党（解放戦線）は、1957年に日本共産党の指導者の一人であった志田重男を中心に設立された組織です。この団体は、大阪を拠点とし、当時の日本共産党指導部である宮本顕治らを批判していました。彼らは中国共産党の方針を支持し、宮本らを「修正主義者」と断じました。このため、彼らは単に「日本共産党」と名乗ることはなく、明確に区別するために「日本共産党（解放戦線）」という名称を使用しました。

歴史的背景

松本重男らの活動は、1960年代中頃から始まりました。彼らは「マルクス・レーニン主義研究会」の名義で、日本共産党の方針に対抗する雑誌『レーニン主義』を発行しました。この雑誌は日本共産党に対する批判の場となり、次第に彼らの思想を広める重要なメディアとなったのです。

1965年8月、彼らは「日本共産党（解放戦線）全国指導部」と名乗り、同誌を機関誌として『平和と独立』に改題しました。この頃から、彼らは「山村工作隊」や「火炎ビン闘争」などの過激な活動を展開しました。これには、当時の日本共産党の「51年綱領」が影響を与え、彼らはその綱領を継承する形で新たな「綱領」を発表しました。

ただし、この団体の組織は非常に限定的で、「全国指導部」と「細胞」のみが存在しました。規約で定められた地方組織や産別組織は存在せず、実際には少数の意見集団に過ぎなかったのが実情です。

活動の変遷

1968年頃、餅つきやスローガンに見られる「中国共産党の路線」に従う組織は、次第に一般の支持を失い、行き詰まる状況が見られました。その中で、取り残された人々が集まり、新たに大衆向けの新聞「新左翼」を創刊しました。これは彼らの思想を広める新たな試みとして注目されました。

1977年4月には、この「新左翼」が改題されて「人民新聞」として再スタートを切りました。この新聞は、今後も「日本共産党（解放戦線）」の思想や活動を広める重要なメディアとして機能することになります。

まとめ

日本共産党（解放戦線）は、志田重男をはじめとする分派者たちによって構築された団体であり、彼らの中国共産党支持の立場や、当時の日本共産党指導部に対する強い批判が特徴的です。彼らの活動は、過激な方向性を持ちながらも、大衆の支持を失い、その後の日本の左翼運動における影響を残し続けています。

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