志田重男

志田重男について

志田重男（しだ しげお、1911年11月21日 - 1971年7月3日）は、日本の労働運動家として知られる社会主義活動家であり、共産党の幹部としても一時は名を馳せました。彼の生涯は、激動の時代と労働運動の歴史の中で多くの波乱に満ちていました。

生い立ちと初期の労働運動

兵庫県津名郡浅野村（現在の淡路市）で生まれた志田は、小学校を卒業後、1923年に堺市に移り、旋盤工として労働の世界に足を踏み入れました。この時期に、彼は労働組合運動に関心を持ち始め、1920年代の労働者の権利を求める闘いに積極的に関与します。

日本共産党への参加

1931年に日本共産党に入党し、志田は1932年に日本労働組合全国協議会（全協）中央常任委員に就任します。しかし、1933年には投獄され、厳しい監視下に置かれることとなります。第二次世界大戦後、志田は政治犯として釈放され、党の主要メンバーとして活動を再開しました。彼は党本部で中央委員や政治局員、書記局員を担い、政界での活動を続けました。

政治活動とその後の困難

1947年、志田は大阪5区から衆議院議員選挙に立候補したものの落選。その後も大阪府知事選挙に共産党公認候補として挑戦しましたが、再び結果は芳しくありませんでした。1950年には公職追放処分を受け、徳田球一とともに地下活動を余儀なくされました。この頃、会社内部の対立も影響し、党の主流派と一線を画す存在となりました。

地下活動とその後の影響

志田は、極左冒険主義的な闘争を指導する「軍事委員長」に就任し、非合法活動を展開しました。しかし、1955年に行われた日本共産党第6回全国協議会（六全協）後、彼は再び公の場に姿を現しました。1956年には、芸者遊びによる党の資金浪費の問題を追及され、以降の動向が不透明となり、1957年には除名されました。

晩年の活動と死去

その後、志田は金井貞吉という変名のもとで大阪や埼玉を転々としながら、1963年からは東京荒川区に居住し、ビル清掃会社に勤務しました。同時に「マルクス・レーニン主義研究会」や「日本共産党（解放戦線）全国指導部」を結成し、党の主導部に対抗する活動を続けました。

志田は1971年に胃癌により、故郷の兵庫県の病院で亡くなりました。彼の死は彼自身の意向で秘匿され、2年後に警察の調査によって明らかになったのです。尽きせぬ労働運動への情熱と、波乱に満ちた彼の人生は、後に出版された『志田重男遺稿集』によって再び語り継がれることとなりました。

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