日本地震再保険

日本地震再保険株式会社について

日本地震再保険株式会社は、日本の家計地震保険における再保険を専門とする、国内唯一の再保険会社です。1966年5月30日に設立され、地震保険制度の中核を担っています。同社は、地震保険に関する法律に基づき、民間損害保険会社から地震保険の再保険を引き受け、大規模な地震発生時には、契約者への保険金支払いを確実に行うための重要な役割を担っています。

設立と株主

設立当初は、国内の損害保険会社20社の出資により設立されました。現在は、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険など、複数の損害保険会社が株主として名を連ねています。

事業内容

日本地震再保険は、一般の保険契約者と直接契約を結ぶことはありません。その主な事業は、民間損害保険会社が引き受けた地震保険の再保険です。具体的には、以下の3つの契約・特約によって再保険制度を構成しています。

A特約: 元受の民間損害保険会社は、地震保険契約の全責任を日本地震再保険に100%再保険します。これにより、国内の家計地震リスクは均質化され、保険金の支払いが円滑に行われる仕組みが構築されています。
C契約: 一定額を超える保険金が発生した場合、日本政府から日本地震再保険に再保険金が支払われます。これにより、巨額な損害が発生した場合でも、保険金支払いが滞らないようになっています。
B特約: 日本地震再保険は、引き受けた再保険責任の一部を、各損害保険会社の状況に応じて、再々保険します。この再々保険は、トーア再保険株式会社などの再保険会社も対象となります。

危険準備金

民間損害保険会社と日本地震再保険は、毎年度の決算で地震保険料とその運用益を積み立て、将来の地震災害に備えて危険準備金として積み立てています。これは、「地震保険に関する法律」施行規則に基づいたもので、巨大な地震が発生した場合でも、保険金支払いを確実にするための措置です。

政府のバックアップ

日本地震再保険は、政府による再保険制度のバックアップを受け、損害保険会社を支援しています。また、必要に応じて、政府の資金斡旋や融通も行われることがあります。これにより、保険契約者は、地震発生時に迅速に保険金を受け取ることができるようになっています。

保険金支払限度額

1回の地震で支払われる保険金の総額には限度額が設けられています。2021年4月1日現在、その限度額は12兆円です。この限度額は、過去の巨大地震の損害額を参考に設定されており、必要に応じて見直しが行われています。万が一、支払総額がこの限度額を超えた場合、各契約の保険金は削減される可能性があります。

東日本大震災での対応

東日本大震災では、地震保険の再保険金支払額は1兆2千億円を超えました。この際には、地震保険制度創設以来初めて、政府による再保険金の概算払いが実施されました。これにより、被災者は迅速に保険金を受け取ることができました。

法令上の特例

日本地震再保険は、保険業法上のソルベンシー・マージン比率に関する規定や、損害保険会社に対する監督指針における責任準備金の算出方法について、例外的な扱いを受けています。

沿革

1966年5月30日：国内の損害保険会社20社の出資により設立
1966年6月1日：地震保険事業免許取得、営業開始

関連情報

地震保険に関する法律
地震保険に係る再保険金の概算払に関する省令
保険業法第132条第2項に規定する区分等を定める命令
地震保険
再保険

外部リンク

日本地震再保険株式会社
地震再保険金支払状況
地震保険に関する法律 - e-Gov法令検索
地震保険に係る再保険金の概算払に関する省令 - e-Gov法令検索
* 保険業法第百三十二条第二項に規定する区分等を定める命令 - e-Gov法令検索

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