日本基督教団平安教会

日本基督教団平安教会（にほんきりすときょうだんへいあんきょうかい）は、京都府京都市左京区岩倉に所在する、日本基督教団に属する教会です。

その起源は、明治時代初期の日本のプロテスタント教会形成期に深く根差しています。具体的には、1876年12月10日に、東竹屋町にあったE・T・ドーン宣教師の自宅で結成された「京都第三公会」を前身とします。この第三公会の設立には、同志社大学の創設者として知られる新島襄から洗礼を受けた8名の人々が中心となり、さらに神戸、函館、熊本といった各地から京都に集まっていた12名の信徒が加わり、総勢20名によって始められました。これは、同年11月に発足した京都第一公会、12月に創設された京都第二公会に続く形で設立されたものであり、当時の京都におけるキリスト教伝道の活発な動きを示すものです。設立間もない1877年には、教会は活動の拠点を京都新町三条上る（現在の京都市中京区の一部）へと移しました。

その後、京都のプロテテスタント教会は連携を深めます。1886年には、京都第二公会の会員のうち同志社と特に関係の深かった人々が中心となり、別に同志社教会を組織するという動きがありました。これを受けて、第二公会に残った他の会員たちは京都第一公会へと移籍することになります。そして、翌1887年6月、京都第三公会は京都第一公会と正式に合併し、「平安基督公会」として新たな歩みを開始しました。この統合により、会員数は170名となり、より強固な組織体制のもとで宣教活動を展開していくこととなりました。

平安基督公会となってから、教会の施設整備も進められました。1887年12月には仮会堂が献堂され、礼拝等の活動が行えるようになりました。さらに1897年には、より本格的な会堂建築が完成し献堂式が行われ、教会の恒久的な拠点としての基盤が確立されました。長い年月を経て、1973年には、著名な建築家である山口文象の設計による全く新しい会堂が、現在の所在地である京都市左京区岩倉東五田町に建設されました。このモダンなデザインの会堂は、現在も教会活動の中心となっています。

教会の歴史における重要な節目として、1976年12月には創立100周年記念式典が盛大に挙行されました。これは、前身である京都第三公会が誕生した1876年から数えてちょうど一世紀となる年を記念するもので、教会の長い歩みを振り返り、未来への希望を新たにする機会となりました。

教会の歩みは、多くの献身的な牧師たちによって導かれてきました。主な歴代の牧師は以下の通りです。

仮牧師
本間重慶
森田久萬人
海老名弾正
山田良斉
牧師
綱島佳吉
松山高吉
不破唯次郎
原田助
湯浅半月
西尾幸太郎
* 山口金作

彼らの働きを通して、平安教会は信仰共同体として成長し、地域社会におけるキリスト教の証を担い続けています。

本稿記述にあたっては、『日本キリスト教歴史大事典』（教文館、1988年刊）を参考にいたしました。

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