日本基督教団神戸聖愛教会
日本基督教団 神戸聖愛教会は、兵庫県神戸市中央区に位置するプロテスタント教会です。その歴史は古く、1882年に神戸で初めて設立されたバプテスト教会を源流としています。戦後、同じバプテストの伝統を持つ二つの教会と一つになり、現在の神戸聖愛教会が誕生しました。現在もバプテストの信仰を受け継ぎ、日本基督教団内の「新生会」に属しています。
教会のルーツは、1882年3月1日に米国北部バプテスト派から派遣されたヘンリー・ホルコム・リース宣教師が、神戸の自宅で始めた「神戸浸教会」に遡ります。これは関西地方における最初のバプテスト教会でした。その後、1888年にはロバート・オースチン・タムソン宣教師が神戸に着任し、伝道活動を積極的に展開しました。会堂は1892年に下山手通に建てられましたが、第二次世界大戦中の空襲で焼失してしまいます。教会の名称は「神戸浸礼教会」あるいは「神戸バプテスト教会」とも呼ばれていましたが、1913年に正式に「神戸バプテスト教会」となりました。太平洋戦争開戦が迫る中、日本のプロテスタント諸教会が合同する動きが進み、1940年にはバプテスト諸派が合同して「日本バプテスト基督教団」が設立され、教会は「日本バプテスト神戸基督教会」と改称。さらに、1941年には宗教団体法に基づき発足した日本基督教団に第四部として加入し、「神戸下山手教会」となりました。1945年の神戸大空襲で会堂を失った後も、信徒宅や学校の教室を借りて礼拝を続けました。終戦後の1947年には、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）から提供された資材で仮会堂を建設し、困難な状況の中でも信仰を守り抜きました。
一方、神戸聖愛教会のもう一つの源流である葺合バプテスト教会は、1895年にタムソン宣教師夫妻が小野浜で開園した善隣幼稚園での働きを始まりとします。この幼稚園は、港湾労働者の子どもたちのためという福祉的な側面を持つ、日本で初期の幼稚園の一つでした。幼稚園の傍らで伝道活動が行われ、神戸葺合講義所が設けられた後、1911年に神戸バプテスト教会から独立しました。1919年に「葺合バプテスト教会」として正式に設立され、1927年には神若通に会堂を献堂します。神戸東部の生活困窮地区で、社会運動家として知られる賀川豊彦の活動とも連携しながら伝道にあたりました。善隣幼稚園の移転が必要となったことから、1937年にはウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により、国香通に幼稚園と教会の合同会堂が建てられました。この教会も時局の変化に伴い、1940年に「日本バプテスト葺合基督教会」となり、1941年には日本基督教団に加わり「神戸葺合教会」と改称しました。しかし、こちらも1945年の空襲により会堂を焼失し、礼拝の継続が困難な状況に陥りました。
三つ目の源流である兵庫バプテスト教会も、1895年にタムソン宣教師夫妻によって兵庫の地に開設された講義所を起源としています。1908年に「兵庫浸礼教会」として設立され、1911年に「兵庫バプテスト教会」と改称されました。神戸の歓楽街として知られる新開地に近い場所にあり、街頭伝道中に迫害を受ける経験もありましたが、地域に根差した活動を続けました。1911年には、やはりヴォーリズの設計による会堂が兵庫塚本通に献堂されました。周囲の景観に溶け込む落ち着いた雰囲気の建物でした。この教会も他のバプテスト教会と同様に、1940年に「日本バプテスト兵庫基督教会」、1941年に日本基督教団に加入し「神戸塚本教会」と名称を変更しました。そして、他の二教会に先立つ1945年3月には、空襲によって会堂を焼失し、活動の継続が困難な状況となりました。
戦災により三教会すべてが会堂を失うという試練に見舞われましたが、信徒たちは協力して礼拝を続けました。1947年、旧神戸下山手教会（旧神戸バプテスト教会）の場所に仮会堂が与えられたことを機に、会堂再建が叶わなかった旧神戸葺合教会と旧神戸塚本教会が、下山手教会との合同を決議しました。そして1948年5月2日、三つの伝統を受け継ぐ教会は「神戸聖愛教会」として新たな一歩を踏み出しました。仮会堂は手狭であったため、新会堂の建設が計画され、善隣幼稚園の再建も望まれました。1952年には現在の場所（神戸市中央区）に新しい会堂が完成し、献堂式が行われました。戦後、旧東部組合系のバプテスト教会の一部は日本基督教団を離れる道を選びましたが、神戸聖愛教会は教団に留まることを選択し、「新生会」の形成に参加しました。1958年には放火により会堂の一部が焼失しましたが、翌年には再建・増築が行われました。1982年には教会創立100周年を記念して記念ホール（現在の北館）が建設され、教会活動の拠点となりました。惜しまれつつも善隣幼稚園は1986年に閉園しましたが、教会は歩みを続け、1992年には現在の美しい礼拝堂が献堂され、現在に至ります。神戸聖愛教会は、激動の時代を経験しながらも、三つの源流教会から受け継いだバプテストの信仰と地域社会への奉仕の精神を大切に守り続けています。
教会のルーツは、1882年3月1日に米国北部バプテスト派から派遣されたヘンリー・ホルコム・リース宣教師が、神戸の自宅で始めた「神戸浸教会」に遡ります。これは関西地方における最初のバプテスト教会でした。その後、1888年にはロバート・オースチン・タムソン宣教師が神戸に着任し、伝道活動を積極的に展開しました。会堂は1892年に下山手通に建てられましたが、第二次世界大戦中の空襲で焼失してしまいます。教会の名称は「神戸浸礼教会」あるいは「神戸バプテスト教会」とも呼ばれていましたが、1913年に正式に「神戸バプテスト教会」となりました。太平洋戦争開戦が迫る中、日本のプロテスタント諸教会が合同する動きが進み、1940年にはバプテスト諸派が合同して「日本バプテスト基督教団」が設立され、教会は「日本バプテスト神戸基督教会」と改称。さらに、1941年には宗教団体法に基づき発足した日本基督教団に第四部として加入し、「神戸下山手教会」となりました。1945年の神戸大空襲で会堂を失った後も、信徒宅や学校の教室を借りて礼拝を続けました。終戦後の1947年には、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）から提供された資材で仮会堂を建設し、困難な状況の中でも信仰を守り抜きました。
一方、神戸聖愛教会のもう一つの源流である葺合バプテスト教会は、1895年にタムソン宣教師夫妻が小野浜で開園した善隣幼稚園での働きを始まりとします。この幼稚園は、港湾労働者の子どもたちのためという福祉的な側面を持つ、日本で初期の幼稚園の一つでした。幼稚園の傍らで伝道活動が行われ、神戸葺合講義所が設けられた後、1911年に神戸バプテスト教会から独立しました。1919年に「葺合バプテスト教会」として正式に設立され、1927年には神若通に会堂を献堂します。神戸東部の生活困窮地区で、社会運動家として知られる賀川豊彦の活動とも連携しながら伝道にあたりました。善隣幼稚園の移転が必要となったことから、1937年にはウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計により、国香通に幼稚園と教会の合同会堂が建てられました。この教会も時局の変化に伴い、1940年に「日本バプテスト葺合基督教会」となり、1941年には日本基督教団に加わり「神戸葺合教会」と改称しました。しかし、こちらも1945年の空襲により会堂を焼失し、礼拝の継続が困難な状況に陥りました。
三つ目の源流である兵庫バプテスト教会も、1895年にタムソン宣教師夫妻によって兵庫の地に開設された講義所を起源としています。1908年に「兵庫浸礼教会」として設立され、1911年に「兵庫バプテスト教会」と改称されました。神戸の歓楽街として知られる新開地に近い場所にあり、街頭伝道中に迫害を受ける経験もありましたが、地域に根差した活動を続けました。1911年には、やはりヴォーリズの設計による会堂が兵庫塚本通に献堂されました。周囲の景観に溶け込む落ち着いた雰囲気の建物でした。この教会も他のバプテスト教会と同様に、1940年に「日本バプテスト兵庫基督教会」、1941年に日本基督教団に加入し「神戸塚本教会」と名称を変更しました。そして、他の二教会に先立つ1945年3月には、空襲によって会堂を焼失し、活動の継続が困難な状況となりました。
戦災により三教会すべてが会堂を失うという試練に見舞われましたが、信徒たちは協力して礼拝を続けました。1947年、旧神戸下山手教会（旧神戸バプテスト教会）の場所に仮会堂が与えられたことを機に、会堂再建が叶わなかった旧神戸葺合教会と旧神戸塚本教会が、下山手教会との合同を決議しました。そして1948年5月2日、三つの伝統を受け継ぐ教会は「神戸聖愛教会」として新たな一歩を踏み出しました。仮会堂は手狭であったため、新会堂の建設が計画され、善隣幼稚園の再建も望まれました。1952年には現在の場所（神戸市中央区）に新しい会堂が完成し、献堂式が行われました。戦後、旧東部組合系のバプテスト教会の一部は日本基督教団を離れる道を選びましたが、神戸聖愛教会は教団に留まることを選択し、「新生会」の形成に参加しました。1958年には放火により会堂の一部が焼失しましたが、翌年には再建・増築が行われました。1982年には教会創立100周年を記念して記念ホール（現在の北館）が建設され、教会活動の拠点となりました。惜しまれつつも善隣幼稚園は1986年に閉園しましたが、教会は歩みを続け、1992年には現在の美しい礼拝堂が献堂され、現在に至ります。神戸聖愛教会は、激動の時代を経験しながらも、三つの源流教会から受け継いだバプテストの信仰と地域社会への奉仕の精神を大切に守り続けています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。