日本寫眞會

日本写真会（Japan Photographic Society）

日本写真会は、1889年（明治22年）5月に榎本武揚を会長として設立された、日本における初期の写真同好会の一つです。当時の写真界を牽引した重要な団体として知られています。

設立の背景とメンバー

写真技術が日本に導入されて間もない頃、写真への関心は一部の人々の間に留まっていました。そのような状況下で、写真の研究と普及を目指し、日本写真会が設立されました。

発起人には、写真師、大学教授、技術者、商人など、多様な分野から写真に関心を持つ人々が集まりました。在日外国人24人と日本人32人が参加し、東京・木挽町の商工会で発足しました。会長には榎本武揚が就任し、副会長には菊池大麓とウィリアム・スタージス・ビゲロー（のち岡部長職、渡辺洪基）、書記にはウィリアム・K・バートン、石川巌(写真技術書の訳書多数)、委員には小川一真、江木松四郎（江木鰐水の孫で江木写真店創業者）、会計には浅沼藤吉（浅沼商会創業者）といった、錚々たるメンバーが名を連ねました。その他、小倉倹司、中島精一、江崎礼二、鹿島清兵衛なども会員として参加しました。

活動内容と貢献

日本写真会は、海外から最新の写真技術を紹介し、会員それぞれの作品発表の場を提供することで、日本の写真技術の発展に大きく貢献しました。特に、新しい技法や知識を一般に広める活動は、当時の写真文化の裾野を広げる上で重要な役割を果たしました。

写真展の開催や研究会の実施を通じて、会員相互の交流を深め、技術向上を図るとともに、一般の人々への啓蒙活動も積極的に行いました。これらの活動を通じて、写真が芸術として、また記録媒体として、社会に認知される上で大きな影響を与えました。

その後

日本写真会は、明治時代の写真界を代表する団体として、その名を歴史に刻みました。しかし、時代の流れとともに、その活動は徐々に縮小していきました。

なお、1924年に設立された現存する写真同好会である日本写真会とは、名称は同じですが、直接的な関係はありません。

参考文献

* 『幕末・明治の写真師』総覧（外部リンク）

日本写真会は、日本の写真史において重要な役割を果たした団体であり、その活動は現代の写真文化にも影響を与えています。

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