日本山岳写真協会
日本山岳写真協会（にほんさんがくしゃしんきょうかい）は、Japan Alpine Photographers Association（略称JAPA）として知られる、山岳写真の世界で活動する日本の写真家たちによって構成される団体です。この組織には、プロフェッショナルとして活躍する写真家から、アマチュアとして山岳写真を楽しむ写真家まで、幅広い層の会員が集まっています。
協会の歴史は、1930年代後半に遡ります。その源流は、1936年11月に東京の神楽坂周辺で発足した、カメラとハイキングを組み合わせた趣味の集まり、カメラハイキングクラブ（CHC）にあります。岩科小一郎氏と内田耕作氏が中心となり呼びかけを行い、船越好文氏、嶋村正雄氏、斎藤金一郎氏、風見武秀氏といった面々がこれに参加しました。このクラブは順調に発展し、ピーク時には150名もの会員を擁する活発な組織となりました。
その後、CHCを退会した岩科氏、船越氏、嶋村氏、斎藤氏、風見氏らが中心となり、山岳写真の専門組織として「東京山岳写真会」が1939年に新たに設立されました。この設立には、穂苅三寿雄氏、中野峻陽氏、岡田紅陽氏、清水武甲氏、塚本閤治氏といった、当時から山岳写真界で活躍していた写真家たちが加わり、組織の基盤を固めました。
東京山岳写真会は設立後の主要な活動として、1940年7月16日から20日にかけて東京・日本橋の髙島屋で最初の「東京山岳写真会展」を開催しました。この記念すべき展覧会には22名の会員が参加し、合計65点の作品が展示され、山岳写真の芸術性を広く紹介しました。しかし、第二次世界大戦の戦況悪化に伴い、社会情勢が厳しくなったことから、協会の活動は1943年に一時休止を余儀なくされました。
1945年8月の終戦を経て、協会の再開に向けた動きが始まりました。1946年には、塚本閤治氏、小合正勝氏、川崎吉蔵氏らによって再開準備が進められました。同年秋には、東京西新橋の桜田会館にて、戦後初となる山岳写真展を開催。この展覧会を機に、戦禍を潜り抜けた旧会員たちの消息が明らかになり、会の再開に向けた動きが本格化しました。そして、組織が東京だけでなく全国に広がりを見せたことを機に、1947年に名称を「日本山岳写真協会」と改称。現在に至るまで、日本の山岳写真界の中心的な存在として活動を続けています。
日本山岳写真協会は、全国に7つの支部を擁する全国組織です。現在の会長は橋本勝氏が務めています。本部の所在地は、東京都新宿区四谷三栄町15番4号 第一原嶋ビル502号室です。
協会は、山岳写真の振興と会員の交流・研鑽のために、多岐にわたる事業を主催しています。
写真展: 主要な活動の一つに写真展の開催があります。会員の作品を中心に構成される日本山岳写真協会展のほか、広く一般から作品を募集する公募展、選抜展、さらには全国各地の支部による支部展など、多岐にわたる展覧会を開催し、山岳写真の魅力を広く社会に発信しています。
コンテスト: 山岳写真の振興を目指し、一般公募によるコンテストも実施しています。応募作品の中から、特選、準特選、入選といった優れた作品を選出し、表彰を行うことで、新たな才能の発掘や作品レベルの向上を促しています。
出版物: 啓蒙活動や記録として、様々な出版物を手掛けています。これには、山岳写真の技術や探求に関する専門書籍（例：「山岳写真の完成」「山岳写真の上達技法」「山岳写真の探究」）や、特定のテーマに沿った美しい写真集（例：写真集「美山彩嶺」シリーズ）、さらには毎年多くの人々に愛されるカレンダー「日本の名山」などがあります。
撮影会: 会員の撮影技術向上や会員間の交流を目的とした撮影会を企画・実施しています。活動の舞台となるのは、北アルプス、谷川岳、奥秩父といった日本を代表する雄大な山岳地帯です。
公開講座: 一般にも開かれた公開講座を開催し、山岳写真への理解を深める機会を提供しています。ここでは、会員や講師による作品の研究、撮影に役立つ山の情報、最新の撮影機材の紹介、安全登山に関わる山岳知識など、山岳写真に関わる幅広いテーマが取り扱われます。
研究会: より専門的なテーマを深掘りするための研究会も行われています。デジタル写真の最新技術に関する研究会や、複数の写真を組み合わせて表現する組写真の勉強会など、会員のスキルアップや新しい表現方法の探求を支援しています。
協会は前述の通り全国に7つの支部を擁しており、それぞれの地域で独自の活動を展開し、地域における山岳写真文化の振興に貢献しています。主な支部と活動地域は以下の通りです。
松本支部: 長野県松本市、安曇野市を中心に活動しています。
両毛支部: 群馬県、栃木県を拠点に活動しています。
東海支部: 愛知県など東海地区を中心に活動しています。
山梨支部: 山梨県を中心に活動しています。
関西支部: 京都、大阪など京阪神地区を中心に活動しています。
南信支部: 長野県伊那市を中心に活動しています。
* 北陸支部: 富山県、石川県など北陸地区を中心に活動しています。
日本山岳写真協会は、創立以来80年以上の長きにわたり、山岳写真の芸術性追求、技術向上、そしてその普及に努めてきました。これからも、日本の美しい山々を写真で記録し、その魅力を伝え続ける活動を展開していくことでしょう。活動の詳細については、協会の公式サイトなどで確認することができます。
設立とその歩み
協会の歴史は、1930年代後半に遡ります。その源流は、1936年11月に東京の神楽坂周辺で発足した、カメラとハイキングを組み合わせた趣味の集まり、カメラハイキングクラブ（CHC）にあります。岩科小一郎氏と内田耕作氏が中心となり呼びかけを行い、船越好文氏、嶋村正雄氏、斎藤金一郎氏、風見武秀氏といった面々がこれに参加しました。このクラブは順調に発展し、ピーク時には150名もの会員を擁する活発な組織となりました。
その後、CHCを退会した岩科氏、船越氏、嶋村氏、斎藤氏、風見氏らが中心となり、山岳写真の専門組織として「東京山岳写真会」が1939年に新たに設立されました。この設立には、穂苅三寿雄氏、中野峻陽氏、岡田紅陽氏、清水武甲氏、塚本閤治氏といった、当時から山岳写真界で活躍していた写真家たちが加わり、組織の基盤を固めました。
東京山岳写真会は設立後の主要な活動として、1940年7月16日から20日にかけて東京・日本橋の髙島屋で最初の「東京山岳写真会展」を開催しました。この記念すべき展覧会には22名の会員が参加し、合計65点の作品が展示され、山岳写真の芸術性を広く紹介しました。しかし、第二次世界大戦の戦況悪化に伴い、社会情勢が厳しくなったことから、協会の活動は1943年に一時休止を余儀なくされました。
1945年8月の終戦を経て、協会の再開に向けた動きが始まりました。1946年には、塚本閤治氏、小合正勝氏、川崎吉蔵氏らによって再開準備が進められました。同年秋には、東京西新橋の桜田会館にて、戦後初となる山岳写真展を開催。この展覧会を機に、戦禍を潜り抜けた旧会員たちの消息が明らかになり、会の再開に向けた動きが本格化しました。そして、組織が東京だけでなく全国に広がりを見せたことを機に、1947年に名称を「日本山岳写真協会」と改称。現在に至るまで、日本の山岳写真界の中心的な存在として活動を続けています。
組織と所在地
日本山岳写真協会は、全国に7つの支部を擁する全国組織です。現在の会長は橋本勝氏が務めています。本部の所在地は、東京都新宿区四谷三栄町15番4号 第一原嶋ビル502号室です。
主な活動内容
協会は、山岳写真の振興と会員の交流・研鑽のために、多岐にわたる事業を主催しています。
写真展: 主要な活動の一つに写真展の開催があります。会員の作品を中心に構成される日本山岳写真協会展のほか、広く一般から作品を募集する公募展、選抜展、さらには全国各地の支部による支部展など、多岐にわたる展覧会を開催し、山岳写真の魅力を広く社会に発信しています。
コンテスト: 山岳写真の振興を目指し、一般公募によるコンテストも実施しています。応募作品の中から、特選、準特選、入選といった優れた作品を選出し、表彰を行うことで、新たな才能の発掘や作品レベルの向上を促しています。
出版物: 啓蒙活動や記録として、様々な出版物を手掛けています。これには、山岳写真の技術や探求に関する専門書籍（例：「山岳写真の完成」「山岳写真の上達技法」「山岳写真の探究」）や、特定のテーマに沿った美しい写真集（例：写真集「美山彩嶺」シリーズ）、さらには毎年多くの人々に愛されるカレンダー「日本の名山」などがあります。
撮影会: 会員の撮影技術向上や会員間の交流を目的とした撮影会を企画・実施しています。活動の舞台となるのは、北アルプス、谷川岳、奥秩父といった日本を代表する雄大な山岳地帯です。
公開講座: 一般にも開かれた公開講座を開催し、山岳写真への理解を深める機会を提供しています。ここでは、会員や講師による作品の研究、撮影に役立つ山の情報、最新の撮影機材の紹介、安全登山に関わる山岳知識など、山岳写真に関わる幅広いテーマが取り扱われます。
研究会: より専門的なテーマを深掘りするための研究会も行われています。デジタル写真の最新技術に関する研究会や、複数の写真を組み合わせて表現する組写真の勉強会など、会員のスキルアップや新しい表現方法の探求を支援しています。
全国の支部活動
協会は前述の通り全国に7つの支部を擁しており、それぞれの地域で独自の活動を展開し、地域における山岳写真文化の振興に貢献しています。主な支部と活動地域は以下の通りです。
松本支部: 長野県松本市、安曇野市を中心に活動しています。
両毛支部: 群馬県、栃木県を拠点に活動しています。
東海支部: 愛知県など東海地区を中心に活動しています。
山梨支部: 山梨県を中心に活動しています。
関西支部: 京都、大阪など京阪神地区を中心に活動しています。
南信支部: 長野県伊那市を中心に活動しています。
* 北陸支部: 富山県、石川県など北陸地区を中心に活動しています。
日本山岳写真協会は、創立以来80年以上の長きにわたり、山岳写真の芸術性追求、技術向上、そしてその普及に努めてきました。これからも、日本の美しい山々を写真で記録し、その魅力を伝え続ける活動を展開していくことでしょう。活動の詳細については、協会の公式サイトなどで確認することができます。
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