日本映画演劇労働組合

日本映画演劇労働組合の概要

日本映画演劇労働組合（にほんえいがえんげきろうどうくみあい）は、映画と演劇の業界で活動していた労働組合です。この組織は、東宝争議を指導したことで特に知られています。日本共産党に指導される形で、1945年12月に結成された東宝従業員組合が前身となり、戦後の労働環境の変化に応じて発展していきました。

結成の背景と東宝争議

第二次世界大戦が終結した1945年、日本では映画産業の労働環境が大きな問題となっていました。特に、東宝は戦前より労働力不足に直面しており、多くの学生運動や労働運動に関わった人々が戦後の解放に伴って雇用されました。これにより、労働者の権利を守るための運動が盛り上がりを見せます。

1946年2月、東京の東宝撮影所を舞台に、東宝従業員組合は賃上げを求める争議を起こし、同年3月には日本共産党の指導の下で勝利を収めました。これをきっかけに、同年4月には全日本映画従業員組合同盟が結成され、様々な映画機関が連携して支援活動を行います。

日本映画演劇労働組合の設立と活動

1946年4月28日、日映演が正式に結成され、全日本映画従業員組合同盟や他の映画事業所の労働組合と共に95分会に参加しました。合計で12,662名のメンバーが結集し、映画業界の権利を守るために活動を強化しました。

しかし、1947年5月1日には東宝支部から脱退する形で、1,500名が全国映画演劇労働組合（全映演）を結成。この新たな組合は新東宝（現在の国際放映）での雇用を求めて行動しました。

次なる争議と解雇問題

1948年4月、東宝が270名の従業員を解雇したことから、再び大規模な争議が発生しました。この争議を日映演が指導し、同年10月までに解雇撤回が実現します。しかし、1950年には再度200名が解雇され、日映演はその問題解決に向けた活動を続けることになります。

役員と著名な組合員

日映演の委員長には映画プロデューサーの伊藤武郎が就任し、様々な著名な労働者が組合に参加しました。松竹支部には神田隆や殿山泰司、家城巳代治が名を連ね、大映支部では加藤泰などが活動していました。彼らは、幕間の演技から映画制作に至るまで、様々な形で労働組合活動に貢献しました。

組合の解散とその後

1952年、日映演は第9回組合大会で解散を決定し、翌日には新たな組織「日本映画演劇労働組合連合（映演労連）」を設立しました。その後、同月25日には「映画演劇労働組合総連合」が結成されました。このように、日映演は歴史的な役割を果たしつつ、日本の映画・演劇界の現代の労働運動へと受け継がれていったのです。

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