日本毛織

日本毛織株式会社（ニッケ）

日本毛織株式会社は、大阪市中央区を本社とする毛織物メーカーで、1896年に創業されました。正式名称は「日本毛織株式会社」ですが、一般には「ニッケ」として知られています。

会社の概要

創業者の川西清兵衛が設立したこの企業は、はじめ神戸で事業を開始しました。当初からラシャやモスリンの製造に注力し、国内での生産量は常にトップクラスを誇っていました。今も毛織物分野では優れた実績を残していますが、1980年代からは不動産事業にも力を入れ、事業を多様化しています。

特に、国や地方自治体、様々な教育機関、さらには鉄道会社からも多くの制服やその生地が採用されており、高級ホテル向けの白毛布なども手がけています。また、戦前は川西航空機と関連し、日本海軍の名戦闘機「紫電改」を生んだことで知られる川西財閥の主軸企業の一つでした。

会社名の変遷

2008年、企業のブランド名を通称社名として採用し、「ニッケ」となる一方で、法律上の正式名義には従来の「日本毛織株式会社」を残しています。この変更に伴い、株式銘柄の略称も「日毛」から「ニッケ」に改められました。

歴史の歩み

1896年の設立以来、日本毛織株式会社は長い歴史を持っています。

• - 1896年 - 設立。
• - 1899年 - 加古川工場の操業開始。
• - 1918年 - 日本毛糸紡績株式会社を吸収合併。
• - 1941年 - 共立モスリン株式会社を吸収して事業を拡大。
• - 1949年 - 東京証券取引所と大阪証券取引所に上場。
• - 1984年 - 加古川工場跡地に「ニッケパークタウン」をオープン。
• - 2008年 - 通称社名を「ニッケ」に変更。

多くの工場がこの間に設立され、企業は地元経済にも寄与しています。また、最近では数字の動きに基づき、家具やインテリア製品の製造を行う企業をグループ会社化しています。

制服事業

日本毛織は創業以来、学生服を製造することにも注力しています。特に、学生用の詰襟式やセーラー服に強い影響を持ち、ブレザー式も製造していますが、現代のトレンドである派手なデザインはあまり見られません。

印南工場は制服工場として有名で、兵庫県内の多くの公立中学・高等学校で使用されているほか、国鉄やJR、民間の鉄道会社でも幅広く採用されています。また、印南工場の建物は歴史的なレンガ造りであり、映画やテレビドラマの撮影にも使われることがあります。

関連会社と文化

日本毛織には、ゴーセンやウールマンなど複数の関連会社があります。ウールマンは日本毛織のマスコットキャラクターであり、羊の毛から生まれたユニークなキャラクターです。

おわりに

日本毛織株式会社は、その長い歴史とともに、品質の高い毛織物と独自の文化を育ててきた企業です。多様な事業を展開しつつ、今後も業界のリーダーとしての地位を維持していくことでしょう。それぞれの製品が持つ歴史と背景は、日本の繊維産業の重要な一部となっています。

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