日本沈没 (漫画)

日本沈没（にほんちんぼつ、にっぽんちんぼつ）

『日本沈没』は、小松左京の同名SF小説を原作とした漫画です。1970年代にさいとう・プロが『週刊少年チャンピオン』に連載した作品と、2000年代に一色登希彦が『ビッグコミックスピリッツ』で連載した2つのバージョンがあります。これらの作品は、日本の自然災害に対する警鐘を鳴らすと同時に、人間の力や決意を描いています。

さいとう・プロ版の概要

さいとう・プロ版は、1973年から1974年にかけて秋田書店の『週刊少年チャンピオン』で連載されました。この版は特徴的で、後に秋田書店から単行本が発行されましたが、その後絶版となりました。1995年には、講談社漫画文庫から復刊され、その後もリメイク映画の公開に合わせて、2006年にも講談社から廉価版、リイド社から単行本が発売されています。ストーリーは原作に沿っていますが、オリジナルの登場人物や展開も加えられています。特に、原作にはないキャラクターである阿部玲子の弟が登場します。また、1973年の劇場版との関連も見られ、結末シーンは原作とは異なる特徴があります。

あらすじ

物語の舞台は19XX年、伊豆半島の天城山での噴火から始まります。次第に、小笠原諸島沖では無人島が沈没するという不思議な現象が発生。これにより、大地震が日本列島全域で頻発します。地球物理学者の田所博士はこの異常に疑問を抱き、日本海溝に潜水して調査を進めることにします。しかし、彼が見たものは常識を超えた光景でした。

この異変を受けて、日本政府は極秘に「D計画」を設立します。田所博士はこの計画の責任者として、未曾有の危機に立ち向かうことになります。

登場人物

• - 田所雄介: 地球物理学者で、D計画を主導する責任者。
• - 小野寺俊夫: 潜水艇パイロットで、田所博士と共にD計画に参加。
• - 幸長: 地震学の助教授で、D計画に貢献。
• - 邦枝: 総理府秘書官で、D計画を政府に提案。

一色登希彦版の概要

一色登希彦版は2006年から2009年において『ビッグコミックスピリッツ』で連載されました。この版は映画の公開に合わせて発表され、全15巻が小学館から刊行されています。背景設定やキャラクターの詳細が近代によって変更され、現代の問題に焦点を当てた内容が展開されています。特に、2006年版映画の要素が部分的に取り入れられ、批評価されています。

あらすじ

21世紀初頭、東京の新宿で起こる突如としての地中沈没事件が、物語の幕を開けます。海底開発の社員である小野寺と仲間たちがこの事件に関わり、田所博士と共に日本列島の異変の真相を解明するため冒険に旅立ちます。

登場人物

• - 小野寺俊夫: 潜水艇パイロットでD計画に参加。
• - 田所雄介: 地球物理学者で、新宿ビル事例に直面。
• - 阿部玲子: 東京消防庁の隊員で、小野寺との関係が進展。
• - 結城慎司: 小野寺の後輩。

評価

2013年にはウィーンのMAKで『NIPPON CHINBOTSU Japan Sinks. A Manga』展が催され、創造の過程や原画が紹介されるなど、国際的な関心を集めました。これにより日本沈没のテーマが、多くの人々に思索を促させる重要な作品であることが示されています。

日本沈没シリーズは、その壮大なスケールと深いメッセージにより、時代を超えて多くの読者に愛され続けています。

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