日本海ケーブルネットワーク

日本海ケーブルネットワーク株式会社

日本海ケーブルネットワーク株式会社（略称: NCN）は、鳥取県東部および中部地域を主要なサービスエリアとする、日本海新聞を発行する新日本海新聞社の系列に属するケーブルテレビ事業者です。1985年3月4日に設立され、鳥取市に本社を構えています。設立当初から地域密着型の事業展開を目指し、その後、鳥取県、鳥取市、倉吉市といった自治体や、事業提携関係にある鳥取テレトピアからの出資を受け入れたことにより、現在では公共性の高い第三セクターとしての側面も持ち合わせています。地域住民に対し、多チャンネルのケーブルテレビ放送をはじめ、高速インターネット接続、さらには固定電話サービスといった情報通信インフラを提供し、地域社会の情報化に貢献しています。

沿革

NCNの歩みは、1985年の設立に始まります。設立後、鳥取市や倉吉市からの出資を受け入れ、公共的な基盤を確立しました。サービス提供は1990年代に入って本格化し、まず1992年6月に鳥取地区、続いて1993年8月には倉吉地区でのケーブルテレビ放送事業を開始しました。地域の情報ニーズに応えるため、2000年7月には鳥取テレトピア（いなばぴょんぴょんネット）との業務提携を締結し、互いのサービスエリアで番組の相互供給を行う体制を構築しました。

サービスの拡充は継続的に行われ、2005年には鳥取市が主導する広域合併地区（国府町、福部町、気高町、鹿野町、青谷町）におけるケーブルテレビ事業の運営に関与し、2006年より順次サービス提供を開始しています。技術革新への対応も迅速で、2006年10月には地上デジタル放送を開始し、同年8月（鳥取地区）および11月（倉吉地区）にはFM鳥取の再送信も開始しました。2008年には岩美町ケーブルテレビ事業の運営事業者にも選定され、2010年4月には岩美町でのサービス提供を開始しています。通信サービス分野では、2010年8月からKDDIとの提携による固定電話サービス「ケーブルプラス電話」を提供開始するなど、多角的なサービス展開を進めてきました。一方で、アナログ放送サービスの終了も段階的に進められ、2011年3月にはCSアナログサービスの再送信を終了し、2015年3月には地上アナログ放送のデジアナ変換サービスも終了しています。

サービス内容

NCNは、ケーブルテレビ、インターネット、電話の3つの主要サービスを提供しています。

ケーブルテレビサービス: 地上デジタル放送、BSデジタル放送に加え、日本デジタル配信を利用した多様なCSデジタル放送チャンネルを提供しています。CS放送はHD放送化が進められており、アダルト放送チャンネルなど一部の視聴には年齢確認を含む特別な手続きが必要です。地域に密着した情報提供のため、鳥取市内の自社エリア向けに告知端末の運用も行っています。FM鳥取のラジオ再送信も実施しています。

インターネット接続サービス: テクノロジーネットワークスとの提携により、高速で安定したインターネット接続サービスを提供し、地域住民のデジタルライフを支えています。

* 電話サービス: KDDIとの提携による固定電話サービス「ケーブルプラス電話」を提供しています。既存の電話番号をそのまま利用できるなど利便性が高く、通信コストの削減に貢献します。ただし、このサービスは岩美町エリアでは提供されていません。

サービスエリア

サービスエリアは鳥取県内に限られます。具体的には、鳥取市の本庁管轄区域の一部（主に市街地エリア）と、鳥取市のうち旧国府町、福部町、気高町、鹿野町、青谷町といった地域、岩美郡岩美町、倉吉市、そして東伯郡三朝町の一部地域でサービスを展開しています。鳥取市や岩美町の一部エリアにおいては、自治体が整備したケーブルテレビインフラの運営をNCNが担っています。また、提携先である鳥取テレトピア（いなばぴょんぴょんネット）に対しても番組供給を行っています。

経営基盤と提携

NCNの経営は、筆頭株主である新日本海新聞社のほか、鳥取県、鳥取市、倉吉市、三朝町といった自治体、そして事業提携先の鳥取テレトピアなど、地域社会を構成する多様な主体からの出資によって支えられています。この強固な地域基盤は、地域に根ざしたサービス提供を可能にしています。特に鳥取テレトピアとは、長年にわたり番組の相互供給を中心とした協力関係を築いています。

日本海ケーブルネットワークは、このように地域の情報通信インフラ事業者として、鳥取県の限られた地域において住民生活を支える重要な役割を担っています。設立以来の技術導入やサービス拡充、地域との連携を通じて、今後も地域社会の情報化に貢献していくことが期待されます。

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