日本発達障害ネットワーク

一般社団法人日本発達障害ネットワーク（JDDネット）

一般社団法人日本発達障害ネットワークは、その略称をJDDネットといい、発達障害のある人々（子どもから成人まで）とその家族に対する様々な支援活動、そして社会全体への発達障害に関する理解を深めるための啓発活動を主な目的とした全国連合会組織です。この組織は、発達障害を持つ当事者とその支援に関わる多様な立場の人々を結びつける重要な役割を担っています。

概要

JDDネットは2005年12月に設立されました。発足以来、そのネットワークを拡大し続けており、例えば2008年12月時点では、17の全国レベルの団体が正会員として、また46の地域に根ざした団体がエリア会員として加盟していました。その構成メンバーは非常に幅広く、発達障害を持つ当事者自身が運営する団体はもちろんのこと、発達障害に関する学術的な研究を行う学会、医療・福祉・教育などの分野で活動する専門職の団体、さらに全国的な規模で活動する組織から地域密着型の団体まで、多岐にわたります。このような多様な団体が集まることによって、JDDネットは障害の種別（例：学習障害、自閉症、注意欠陥・多動性障害など）、学派や専門分野、個々の立場や主張、地域といった様々な境界を越えた連携を可能にしています。この幅広いネットワークの最大の特色は、発達障害を持つ当事者への実質的な支援を最も重要な活動の柱として、共通の目標に向かって協力している点にあります。

組織の代表には、北海道大学大学院の教授であり、児童精神科医としても著名な田中康雄氏が就任しています。また、国の政治に携わる立場として、参議院議員である尾辻秀久氏が顧問を務め、組織の活動を支えています。

情報発信活動にも積極的に取り組んでおり、2006年からは定期的に会報を発行しています。これらの会報のバックナンバーはJDDネットの公式サイト上で一般に公開されており、組織の活動内容や発達障害に関する最新の情報、加盟団体の取り組みなどを誰でも自由に閲覧できるようになっています。

主な活動

JDDネットの活動の中心の一つは、発達障害に関する正確な知識を社会に普及させ、理解を促進するための様々な啓発資料の作成と配布です。特に重要な活動として、以下のような出版物やパンフレットの発行が挙げられます。

啓発書籍の発行:
『発達障害の早期発見、早期支援ガイドブック』：発達障害の早期発見のポイントや、早期からの適切な支援のあり方について解説しており、広く一般向けに無料で配布されています。
『発達障害児のための支援制度ガイドブック』：発達障害のある子どもたちが利用できる様々な公的な支援制度について、その内容や利用方法を分かりやすくまとめた書籍です（有償提供）。

各種パンフレットの発行:
子育て中に「育てにくさ」や「うまくいかない」と感じる保護者向けに、発達の気になる点に早期に気づき、適切な対応を考えるためのヒントを提供するパンフレットシリーズを作成しています。年齢別に内容は分かれており、例えば「1歳半の子育て編」「3歳の子育て編」「就学前の子育て編」などがあります。これらは、発達障害の可能性に気づき始めた保護者が最初の一歩を踏み出すための助けとなることを目指しています。

これらの出版活動を通じて、JDDネットは専門家だけでなく、発達障害のある本人、その家族、教育・福祉関係者、そして一般市民に至るまで、幅広い層に対して質の高い情報を提供し、社会全体の理解促進に貢献しています。

加盟団体例

JDDネットには、様々な分野の団体が加盟しています。代表的な例としては、以下のような団体が挙げられます。

NPO法人 アスペ・エルデの会
NPO法人 えじそんくらぶ
NPO法人 エッジ
全国LD親の会
日本自閉症協会
日本LD学会
一般社団法人 発達･精神サポートネットワーク

これらの団体は、それぞれの専門性や活動範囲を生かしながら、JDDネット全体として連携し、発達障害に関する課題解決に取り組んでいます。

関連事項

JDDネットの活動に関連する主な概念や法律には、以下のようなものがあります。

発達障害
学習障害（LD）
自閉スペクトラム症（ASD）
注意欠陥・多動性障害（ADHD）
発達障害者支援法

JDDネットは、これらの概念や法律に基づいた支援や啓発活動を展開し、発達障害のある人々が安心して暮らせる社会の実現を目指しています。

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