日本皇民党

日本皇民党について

日本皇民党（にほんこうみんとう）は、稲川会の傘下に位置する右翼団体で、香川県高松市に本拠を持っています。この団体は、1980年代後半に自民党の竹下登元内閣総理大臣をターゲットにした「ほめ殺し」と称される街宣活動によって広く知られるようになりました。この活動は、いわゆる皇民党事件として認識されており、当時の政治シーンに強い影響を及ぼしました。

日本皇民党の主な活動地域は長らく西日本でありましたが、近年では関東地方にもその勢力を拡大しています。2010年には、当時の民主党幹事長小沢一郎の自宅に火炎瓶を投げ入れるという事件が発生し、この事件を受けて東京に約20人の「東京グループ」が存在することが明らかになり、その動向は警視庁公安部によって監視されています。さらに、同団体には日本皇民党烈風塾という傘下団体もあります。

来歴

日本皇民党は1972年に設立されました。創設者の稲本虎翁は、高松市で右翼団体の設立を決定し、その初代総裁となりました。彼は元々南道会傘下の白神組に加入しており、同じく南道会の福井組の宅見勝とは深い関係にありました。稲本はまた、高松の大日本義和団の岩崎寿昭とも兄弟分であり、地域の130以上の右翼団体を統括する「西日本獅子の会」を設立し、その理事長を務めるなど、地域の右翼運動で広く認知される存在でした。1980年に政治団体としての届出を行い、現在も西日本獅子の会に加盟しています。

1987年には、自民党の竹下登への街頭演説が国政に波紋を呼び起こすなど、政治的な議論の中心に立つ存在となりました。また、1990年には京都市において、教職員組合に反対するデモの際に発生したトラブルによって、府警との摩擦を経験しました。この際、逮捕者が出るなどの混乱を引き起こしました。

主な活動と事件

1991年、分裂騒動後に稲本が急死するまで、その影響力は続き、幹部たちは他の右翼団体との連携を強化しました。1997年には高松に本部ビルを建設し、活動資金の豊富さを示しました。2004年には大阪の中華人民共和国総領事館に対して街宣車を突入させる事件が発生し、メディアに取り上げられました。

更に、2010年には小沢一郎の自宅への火炎瓶投擲未遂など、様々なトラブルが報じられています。2011年にはフジテレビ本社の近辺での抗議活動が行われ、その後も内部のトラブルや恐喝容疑によって幹部が逮捕される事件が数回起こっています。

批判対象

日本皇民党が主に批判する対象は、冷戦時代からの左翼に分類される国家や団体です。具体的には、中国、北朝鮮、日本共産党、全日本教職員組合などが挙げられます。このように、日本皇民党はその活動を通じて、特定の組織や政治的立場に対して強硬な立場を取ることが顕著です。

日本皇民党の活動や事件は、日本の政治や社会における右翼団体の影響を考える上で重要なケーススタディとなります。

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