稲川会

稲川会（いながわかい）

概要

稲川会は東京都港区六本木に本部を構える博徒系指定暴力団です。1972年に現在の名称に改称され、六代目山口組、住吉会、神戸山口組と共に公安委員会により主要暴力団とされています。この組織は、稲川聖城が一代で築き上げ、1949年に静岡県熱海市で稲川組として誕生しました。その後、数回の名称変更を経て、現在の形態に至っています。

来歴

稲川組の創設は、当初は静岡県熱海市における博徒の活動から始まりました。稲川角二（後の稲川聖城）が、老舗の博徒・山崎家一家の縄張りを引き継ぎ、組織は着実に拡大します。1959年には東京に進出し、ここから日本全国に影響を及ぼす組織へと成長しました。1972年に組織名を稲川会に改め、東京都へ本拠を移します。

1985年には理事長職が代替わりし、稲川聖城は総裁に就任、以後2007年までこの地位にありました。1990年には息子の稲川裕紘が三代目会長に就任し、その後、稲川会は暴力団対策法に基づく指定暴力団として認可されました。

平成期以降

2005年に稲川裕紘が病死すると、組織内での継承を巡って争乱が起きましたが、稲川聖城の調停により収束しました。2006年、角田吉男が四代目を継承し、2010年には清田次郎が五代目会長に就任します。しかし、2011年には内部の紛争が顕在化し、一部の傘下組織が稲川会を脱退して独立しました。

2013年にはアメリカ合衆国の財務省から金融制裁の対象に指定され、2014年には人身売買や銃器密輸等の重大な犯罪への関与が疑われ、FBIによる捜査命令が下されました。これにより、国際的にもその活動が明らかにされました。

政界との関係

稲川会は政治家との繋がりも持ち、特に自由民主党の政治家とその周辺との関係が影響を及ぼしてきました。元タレントで自由民主党の副幹事長を務めた浜田幸一がこの組織に関連していることを告白し、また、特定の選挙戦略においても以前から関与が取り沙汰されています。特に、竹下政権の時期には、稲川会のリーダーが政界との協力を持ちかけられた事例も報告されています。

近年の動向

現在、稲川会は六代目会長として内堀和也が就任し、安定した運営が続いています。しかし、依然として内部での競争や外部との摩擦も見られ、特に警察との対立関係が続いていることから、今後の動向が注目されています。

稲川会はその歴史的背景と社会的関係により、多くの議論を呼び起こす存在ですが、その影響力は依然として健在です。

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