日本考古学協会

日本考古学協会について

一般社団法人日本考古学協会（Japanese Archaeological Association）は、日本国内の考古学の発展を目指し、1948年に設立された学術団体です。一貫して埋蔵文化財の保護、関連学術団体との連携、国際的な交流を重視し、考古学界の発展に寄与しています。現在、約4000名の会員が在籍しており、その多くは大学や博物館、地方自治体に所属する研究者や専門家です。

概要

日本考古学協会は考古学界を代表する重要な機関であり、日本学術会議から指定される協力学術研究団体にも選ばれています。会員になるためには、25歳以上であり、著書や論文、発掘報告書などの提出が求められ、協会の審査を通過する必要があります。これは、質の高い研究を維持するための基準としています。考古学界においては、埋蔵文化財に関する政策に影響を与える力を持つ団体とされています。

協会は年に数回、重要なイベントを開催しています。春には東京都近郊で総会が開かれ、秋には地方で大会を実施しています。さらに、2006年以降は一般市民向けの公開講座も行われており、教育や普及活動にも力を入れています。会員が支払う年会費は1万円で、また定期刊行物として『日本考古学』と『日本考古学年報』をそれぞれ年に数回発行し、新しい研究や発見を広めています。

なお、日本考古学協会は、日本考古学会と区別されており、この両者は異なる団体です。考古学研究会という団体も以前は5000名以上の会員を有していましたが、協会は2012年時点でその数が最大になりました。他にも日本人類学会や日本第四紀学会、日本文化財科学会など、考古学に関連の深い団体が存在します。

歴史

日本考古学協会の歴史は、1947年に始まります。この年、登呂遺跡の発掘調査が全国的に注目されましたが、発掘に伴う経費が特定の教授への支払いとして行われたことが問題視されました。このため、全国的な考古学の学会を設立するための第1回考古学協議会が1947年12月に開かれ、その後1948年に日本考古学協会が正式に設立されました。設立時の会則には、研究者が自主性と平等性を持って考古学を発展させることが記されています。

設立後、協会は登呂遺跡の調査主体となり、発掘調査の経費を適切に管理する役割を果たしました。高度成長期が進む中、開発によって多くの遺跡が消失する問題が生じましたが、協会は千葉県の加曾利貝塚や奈良県の平城宮跡の保存活動を推進し、成功を収めました。この頃から地方自治体での緊急発掘調査が増加し、専任の担当職員が新たに採用され、協会の会員数も大幅に増加しました。

また、2000年に起きた旧石器捏造事件や聖嶽洞穴遺跡問題に関しても、協会は検討委員会を設けて問題解決に向けて取り組みました。最近では、高松塚古墳の保全を求める声明を採択し、関係機関と連携してさらなる保護活動を推進しています。

参考文献

• - 一般社団法人日本考古学協会

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