日本自動車博物館

日本自動車博物館のご紹介

日本自動車博物館は、石川県小松市の二ツ梨町にある自動車をテーマにした博物館です。この博物館は1978年に個人コレクションを基に開設され、40年以上の歴史を持ちます。当初の場所から加賀温泉郷近くに移転したのは、観光客の集客を狙った戦略的な決断でした。

博物館の歴史と設立者

博物館の創設者である前田彰三氏は、自動車の魅力に魅せられた実業家でした。彼は自社の旧社屋を利用し、さまざまな自動車を収集しました。高成長時代の日本では、実用車が使われ尽くされる風潮が強い中、その逆を行って貴重な実用車や高級車を保存することに情熱を注ぎました。彼は、特に商用車の収集に重きを置いており、その結果、他の博物館では見ることのできない希少な車両が多く展示されています。

現在の館内の特徴

日本自動車博物館の建物は赤レンガ風の3階建てで、延床面積は11,550m²。館内にはメーカーや車の種類によって編成されたコレクションがあります。また、訪問者はレストランやミュージアムショップも楽しむことができます。さらに、目を引くのは「世界のトイレ」のコーナーで、実際に使用可能な便器が15か国から集められています。これらのユニークな展示は、SNSでも話題を呼んでいます。

展示・収蔵品の多様性

博物館には、1901年から平成初年代までの約500台の自動車が常設展示されています。これには、バックヤードに保存されている約200台分も含まれ、どちらもほとんどがエンジンのかかる状態で維持されています。収蔵されている車の中には、旧ソビエト連邦製の「ZIL」や中華人民共和国製の「紅旗」など、他では見られない貴重な外国車もあり、日本製の古い商用車も多数展示されています。

収蔵車両のコンディションは概ね良好で、時折、実際に乗車体験ができるイベントも行われます。ただし、収蔵台数が多いため、個々の車両を見るスペースには制約があります。この博物館で見ることができる車の例としては、トヨタ・2000GTやロールス・ロイス・シルヴァースパーなど、貴重なモデルが多く揃っています。

イベントと訪問者体験

日本自動車博物館では、特別展や自動車愛好家のミーティングを開催しています。また、稼働可能なバスの乗車体験や、地元の金箔技術を用いた特別展示もあり、訪れる人々に楽しんでもらえる工夫がなされています。さらに、敷地内には明治中期の歴史的な建物が移築されています。

アクセス

訪問の際には、IRいしかわ鉄道粟津駅から車で10分、また北陸新幹線加賀温泉駅からは車で15分の距離に位置します。公共交通機関を利用する場合、加賀温泉駅からの周遊バスも利用可能です。

日本自動車博物館は、単なる自動車の展示場ではなく、自動車文化を体験できる場として、多くの人々に親しまれています。自動車ファンのみならず、家族連れや観光客も楽しめる内容が盛りだくさんです。

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