日本著作権協議会

日本著作権協議会の概略

日本著作権協議会（にほんちょさくけんきょうぎかい）は、1949年12月に設立され、2003年に解散した団体です。この協議会の目的は、著作権に関する権利者と使用者間での意見交換を促進することでした。また、著作権に関連するさまざまな問題を解決するための機関でもありました。設立当初から、協議会は権利者の団体と使用者の団体の意見をまとめ合意形成を図る重要な役割を果たしていました。

1949年6月には著作権審議会が設立され、これが日本著作権協議会の前身となっています。この審議会は官公庁には属さない行政機関であり、その後の著作権協議会設立に影響を与えたと言えます。日本著作権協議会は、1950年4月に文部省から社団法人として認可を受け、その後の活動を開始しました。特に著作権に関する情報を整理し、提供するために1951年から刊行を始めた『著作権台帳』は、多くの人々に影響を与える資料となりました。

事業内容

日本著作権協議会には、主に以下の活動がありました。まずは1951年からの『著作権台帳』の刊行です。この刊行物は著作権に関連する情報を網羅的に集約したもので、多くの著作権関係者にとって貴重な情報源となりました。また、1979年度には「著作権貢献賞」が創設され、著作権の発展に寄与した個人や団体を表彰する制度も整えられました。

さらに、協議会は権利者と使用者間の著作権に関する紛争を解決する役割も担っており、この活動は、著作権の理解と普及に大いに貢献しました。著作権に関する政策提言も行い、著作権の法律や制度に対する影響力を持ち続けました。

創立メンバーとその後

日本著作権協議会には、北村治久や中島健蔵、末弘厳太郎といった著名な人物が参加していました。特に北村治久は設立時の幹事長および事務局長を務め、協議会の重要な役割を果たしました。中島は実務には直接関与していなかったと言われていますが、協議会の理念に対して深い理解を示していたとされています。

一方で、末松は設立後間もなくして亡くなり、そのため実質的には北村が唯一の創業者としての働きをしていたとも言われています。元早川書房の宮田昇は、北村と大塚光幸が共同で創立したと述べており、彼らの活動が今の著作権制度にどれほど影響を与えたかを伺わせます。

解散とその背景

日本著作権協議会は設立から約54年後の2003年に解散しました。解散の原因として、北村と有限会社著作権協議会編集局との間での法的な争いが挙げられ、この敗訴が著作権協議会の解散を招くことになりました。解散後の同年10月には破産宣告も受けることとなり、長い歴史を持った団体はその活動を終了しました。事務局は東京都千代田区の市政会館に置かれ、その活動の中心地でもありました。

日本著作権協議会の活動が今日の著作権制度に多大な影響を及ぼしたことは間違いなく、今も多くの関係者にその存在が思い出されています。

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