日本薬学会

公益社団法人日本薬学会について

公益社団法人日本薬学会（The Pharmaceutical Society of Japan）は、1880年に設立された、薬学に関する研究、学術情報の交換を促進し、学術文化の発展に寄与することを目的とする学術団体です。日本学術会議協力学術研究団体の一つとして、日本の薬学研究をリードする重要な役割を担っています。

沿革

日本薬学会は、1880年にその前身となる組織が設立され、1881年に「東京薬学会」と改称、同年には学術雑誌『薬学雑誌』を創刊しました。1892年には「日本薬学会」へと名称を改め、日本の薬学の発展と共に歩んできました。

1948年には日本薬剤師会と合併し「日本薬剤師協会」となりましたが、1962年に再び分離し社団法人化。2008年の民法改正に伴い特例社団法人へ、そして2011年には公益社団法人へと移行しました。

設立前史

設立に先立ち、1878年には東京大学医学部製薬学科の教師と学生が「薬学会」を組織し、学術雑誌『東京薬学新誌』を発刊しましたが、翌年に廃刊となりました。その後、1880年に東京大学の卒業生を中心とした親睦会が設立され、これが現在の日本薬学会の基礎となりました。

事業内容

日本薬学会は、以下の様な多岐にわたる事業を展開しています。

会誌および学術図書の刊行: 薬学に関する最新の研究成果や情報を発信する学術誌を刊行しています。
学術講演会、講習会および研究会の開催: 年会、学術集会、創薬セミナーなど、研究成果の発表や情報交換の場を提供しています。
薬学、薬業および関連科学ならびに産業に関する調査、研究、建議、奨励、表彰: 薬学分野における研究を奨励し、優れた成果を表彰しています。
関連学会との連絡協力: 国内外の関連学会と連携し、学術交流を促進しています。

機関誌「ファルマシア」

機関誌「ファルマシア」は、毎月1日に発行され、薬学分野における最新の研究動向、先端的な研究成果、注目トピックスなどを幅広く取り上げています。電子版はJ-STAGEを通じて提供されており、会員は最新号をオンラインで閲覧可能です。発行1年後には会員以外も閲覧できるようになります。

学術雑誌

『YAKUGAKU ZASSHI』（薬学雑誌）: 1881年創刊、日本で最も古い学術誌の一つです。年12回発行され、薬学全般の研究成果を掲載しています。
『CHEMICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN』（Chem. Pharm. Bull.）: 1953年創刊の英文学術雑誌で、年12回発行されます。
『BIOLOGICAL & PHARMACEUTICAL BULLETIN』（Biol. Pharm. Bull.）: 1993年に『Chem. Pharm. Bull.』から生化学や薬理学分野が分冊され創刊。年12回発行の英文学術雑誌です。
『Journal of Health Science』（J. Health Sci.）: 1953年創刊、年6回発行の衛生科学分野を扱う英文学術雑誌です。

授賞

日本薬学会は、薬学の発展に貢献した研究者や教育者を表彰するため、様々な賞を設けています。主な賞として、薬学会賞、学術貢献賞、学術振興賞、奨励賞、創薬科学賞、功労賞、教育賞、佐藤記念賞などがあります。

学術講演会

年会、学術集会、創薬セミナーなど、活発な学術講演会を開催しています。

部会

薬学の専門分野ごとに、化学系薬学部会、構造活性相関部会、薬学教育部会、医薬化学部会、生物系薬学部会、医療薬科学部会、生薬天然物部会、薬理系薬学部会、レギュラトリーサイエンス部会、物理系薬学部会、環境・衛生部会など、多様な部会が設けられています。

支部

全国各地に支部を設け、地域に根ざした活動も展開しています。北海道、東北、関東、東海、北陸、近畿、中国四国、九州の8つの支部があります。

学会事務所

学会事務所は、東京都渋谷区に所在しています。

歴代会頭

日本薬学会の歴史を支えてきた歴代会頭については、公式ウェブサイトに詳細が掲載されています。

まとめ

公益社団法人日本薬学会は、薬学研究の発展と学術文化の向上に大きく貢献している団体です。学術誌の発行、講演会の開催、研究奨励など、多岐にわたる活動を通じて、日本の薬学を牽引しています。会員は、これらの活動を通じて最新の研究成果に触れ、自身の研究に役立てることができます。日本薬学会は、薬学研究者にとって不可欠な存在と言えるでしょう。

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