J-STAGE

J-STAGEとは

J-STAGE（ジェイ・ステージ）は、日本の文部科学省が所管する国立研究開発法人、科学技術振興機構（JST）が運営している無料の電子ジャーナル公開システムです。このプロジェクトは1998年に始まり、正式名称は「科学技術情報発信・流通総合システム」といいます。J-STAGEは、学協会や研究者がインターネット上で学術雑誌を発行できるシステムとノウハウを提供し、情報流通の迅速さや国際的な発信力の強化を目指しています。

J-STAGEの背景

1990年代中頃からインターネットが普及し始めたフィールドにおいて、日本語圏での電子ジャーナルの利用は他国に比べ遅れていたため、JSTはその改善を目的にJ-STAGEを設立しました。特に、著作権の扱いやウェブプログラミングに不安のある学会や協会に対し、無償でノウハウを提供し、スムーズに電子ジャーナルを発行できるよう支援しています。

サービス内容

J-STAGEを活用することで、電子ジャーナルの発行は審査を通過すると無料で利用可能です。また、電子化された論文は多くが無料で閲覧できるものの、一部の雑誌については発行元によって有料での公開もされています。

取り扱うコンテンツ

J-STAGEでは、主に医学や薬学、工学に関連するジャーナルを中心に、自然科学、人文科学、社会科学の分野でも幅広い雑誌が収録されています。全体として38%は欧文誌、19%は和文誌、残りの43%は和欧混載誌です。これにより、多様な研究領域の情報が互いにアクセス可能になっています。

アクセス状況

J-STAGEは非常に多くのアクセスを集めており、月間では600万から700万件、論文本文のダウンロードは約100万回に上ります。日本からのアクセスが39.6%を占めている一方で、中国からは14.4%、アメリカからは10.3%、EUからは4.5%と続き、年間で見れば世界193ヵ国にわたるアクセスが記録されています。

関連プロジェクトとの位置づけ

また、文部科学省が進める学術情報電子化プロジェクトの中で、J-STAGEは中核的な役割を果たしています。特にJournal@rchiveのサービスは2012年にJ-STAGEに統合され、現在はJ-STAGEとCiNiiが日本語圏の学術文献電子化プロジェクトの中心となっています。これらはそれぞれ異なる特色を持ち、J-STAGEが電子ジャーナル出版を主にサポートするのに対し、CiNiiは幅広い分野にわたる学術雑誌や大学紀要の電子化にフォーカスしています。

まとめ

J-STAGEは、電子ジャーナルの発行を通じて、学術情報の活用を促進し、オープンアクセスの理念に基づいて情報を広く公開しています。これにより、研究者や一般の人々が容易に知識を得られる場を提供し、学術界全体の発展に寄与しています。学術誌の電子化が進むことで、情報の循環がよりスムーズになり、知識の共有が促進されることが期待されています。

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