日本電波工業

日本電波工業株式会社

日本電波工業株式会社（Nihon Dempa Kogyo Co., Ltd.）は、東京都渋谷区に拠点を構える日本の著名な水晶デバイスメーカーです。1948年に設立され、以来水晶振動子や水晶発振器、さらに超音波探触子などさまざまな水晶デバイスの製造に注力しています。内製の人工水晶を原料として、高品質な製品を市場に提供しており、最近では周波数シンセサイザやQCMセンサといった新しい技術の開発にも取り組んでいます。

会社の沿革

日本電波工業の歴史は1948年に始まりました。その後、1949年には水晶振動子の製造・販売を開始し、1954年には本社を東京都渋谷区西原に移転しました。1958年には人工水晶の工業化に成功し、1959年には水晶フィルタの製造をスタートしました。その後も1960年には水晶発振器の製造を加え、順調に成長を遂げていきました。

1979年には弾性表面波フィルタ（SAWフィルタ）の開発と工業化に成功し、1985年には狭山事業所の本館を完成させました。1990年には新宿区西新宿に本社を移し、その後1994年に中国江蘇省に現地法人を設立し、1998年には東京証券取引所の市場第一部に上場しました。

2004年には北海道千歳市にテクニカルセンターを開設し、2005年には本社を渋谷区笹塚の新ビルに移転しました。近年では、2019年に新たな現地法人を中国に設立し、2020年には函館市にNDK SAW devices（株）を立ち上げました。そして2022年には東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、プライム市場に移行するなど、着実に事業の拡大を図っています。

主な商品ラインナップ

日本電波工業が製造する主な製品には、水晶振動子、各種水晶発振器（SPXO, TCXO, VCXO, OCXO）、周波数シンセサイザ、信号発生器、ミリ波コンバータ、人工水晶、光学製品、QCMセンサ、アウトガス分析システム、超音波プローブ（探触子）などがあります。これらの製品は、通信機器や医療機器、航空宇宙関連など、さまざまな産業分野で広く利用されています。

事業所及び関連会社

本社は東京都渋谷区に位置し、さらに関西営業所（大阪府）、中部営業所（愛知県）、狭山事業所（埼玉県）、千歳テクニカルセンター（北海道）など、国内にいくつかの拠点があります。また、古川エヌ・デー・ケー(株)（宮城県）や函館エヌ・デー・ケー(株)（北海道）を含む多数の関連会社を国内外に持ち、国際的なネットワークを展開しています。

安全に関する課題

日本電波工業の歴史には、2009年に発生した育成炉の爆発事故という厳しい一幕もあります。これは、アメリカの子会社であるNDK Crystal Inc.でオートクレーブが爆発し、近隣住民にまで影響を及ぼす悲劇をもたらしました。

このように、過去の出来事も踏まえつつ、日本電波工業株式会社は今後も技術革新に努め、多様なニーズに応えた製品提供に励んでいくことでしょう。

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