日本風力開発

日本風力開発株式 会社

日本風力開発株式会社（にほんふうりょくかいはつ、英: Japan Wind Development Co., Ltd.）は、風力発電所の開発、建設、運営、および風力発電機の販売を主たる事業とする日本の企業です。東京都千代田区に本社を構えています。1999年 7月、三井物産にて風力発電部門に携わっていた塚脇正幸氏によって設立されました。

同社は設立以来、再生可能エネルギーである風力発電の普及に力を入れてきました。国内では青森県六ヶ所村、千葉県銚子市、石川県珠洲市など、主要な風況地に自社直営または子会社を通じて風力発電事業を展開しています。また、国外においてもドイツのニーダーザクセン州に現地法人を通じて発電所を設置するなど、積極的に事業エリアを拡大してきました。

沿革

日本風力開発の歴史は、1999年 7月に東京都港区にて風力発電所の開発と売電事業を目的として塚脇正幸氏が会社を立ち上げたことに始まります。設立間もない2001年にはドイツで売電事業を開始し、同年9月には国内初の主要プロジェクトの一つである銚子屏風ヶ浦風力発電所が運転を開始しました。順調に事業を拡大し、2003年 3月14日には東京証券取引所マザーズ市場への株式公開を果たしました。

しかし、2010年以降、経営上の課題が表面化します。2010年6月には有価証券報告書の提出遅延により監理銘柄に指定され、同時期には代表取締役の塚脇氏の株式が担保割れにより売却され、主要株主が存在しないという状況になりました。2012年 3月には、同社役員からのインサイダー情報に基づいた取引が行われたとして、関係者が証券取引等監視委員会から告発・起訴される事態も発生しました。

2013年 10月には、東京証券取引所での所属業種区分が「卸売業」から「電気・ガス業」に変更され、事業の実態に合わせた区分となりました。同年12月には、六ヶ所村風力開発など主要な完全子会社を吸収合併し、経営体制の効率化を図りました。2014年 8月1日には、市場選択制度を利用して東京証券取引所第二部に市場を変更しています。

2015年には経営構造が大きく変化します。同年5月、塚脇正幸社長と投資ファンドであるベインキャピタルが設立したJWDホールディングス株式会社が、日本風力開発に対する株式公開買い付け（TOB）を実施し、発行済み株式の過半数を取得しました。これにより、同年9月4日をもって株式の上場を終え、同月9日には株式併合を経てJWDホールディングス株式会社の完全子会社となり、非上場企業となりました。

近年、同社は重大な局面を迎えています。2023年8月には、洋上風力発電事業に関する業者選定基準の変更を求める陳情に関連し、衆議院議員への贈賄容疑で、東京地検特捜部による家宅捜索を受けました。この事態を受け、同年9月1日には塚脇正幸社長が辞任し、同月27日には贈賄罪で在宅起訴されるに至りました。こうした状況を経て、2024年1月31日には、インフラ・アセット運営を手掛けるインフロニア・ホールディングスのグループ傘下に入り、同社の孫会社として新たな経営体制のもとで事業を継続しています。

主な発電所

日本風力開発グループは、国内各地で多数の風力発電所を開発・運営しています。代表的な発電所の一部を以下に示します。

直営（過去に合併した子会社含む）

えりも風力発電所（北海道幌泉郡えりも町）: 総出力800kW。
六ヶ所村風力発電所、同第二発電所（青森県上北郡六ヶ所村）: 総出力合計32,850kW。
宮川公園風力発電所（神奈川県三浦市）: 総出力800kW。
珠洲第1・第2風力発電所（石川県珠洲市）: 総出力合計45,000kW。
渥美風力発電所（愛知県田原市）: 総出力10,500kW。
大山・名和・中山風力発電所（鳥取県西伯郡大山町・名和町）: 総出力合計21,000kW。
東伯風力発電所（鳥取県東伯郡琴浦町）: 総出力19,500kW。

かつて傘下にあった発電所

過去には、江差風力発電所（北海道）、銚子風力発電所、八木風力発電所（千葉県）、平生風力発電所（山口県）、株式会社エヌエスウインドパワーひびき（福岡県）、肥前風力発電所（佐賀県）など、複数の発電所がグループ傘下にありましたが、その後の株式譲渡等により現在は関連がありません。

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