日清キョーリン製薬

日清キョーリン製薬株式会社

日清キョーリン製薬株式会社は、1996年4月から2008年9月まで存在した日本の製薬会社です。大手製粉会社である日清製粉（現・日清製粉グループ本社）と、中堅製薬会社である杏林製薬（現・キョーリン製薬ホールディングス）が折半出資して設立した合弁会社でした。

概要

同社の主力製品は、潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬であるペンタサ錠（一般名：メサラジン）でした。この薬剤は、日清製粉がフェリング社（スイス）から導入し、国内で希少疾病用医薬品として開発したもので、同社の売上高の大部分を占めていました。

ペンタサ錠の売上は好調で、業績は拡大を続けました。売上高は、1999年3月期には64億円でしたが、2008年3月期には140億円にまで成長しました。社員数も設立当初の100名程度から、最盛期には300名を超える規模となりました。

しかし、2007年9月、両親会社は、杏林製薬への吸収合併について基本合意を発表しました。そして、2008年10月、日清キョーリン製薬は杏林製薬に吸収合併され、解散しました。

沿革

1996年
4月：日清製粉の100%子会社である日清製薬に、杏林製薬が第三者割当増資引受により資本参加し、「日清キョーリン製薬株式会社」を設立（資本金3億円）。
4～7月：ペンタサ錠250の製造承認、薬価収載、販売開始。
1997年11月：本社機能を大阪から東京都千代田区神田錦町に移転。
1998年4月：日清製粉の医療用医薬品の研究・臨床開発・学術部門を同社に併合。
2002年10月～2003年6月：ペンタサ注腸1gの輸入販売承認、薬価収載、販売開始。
2004年1月～9月：制吐剤シンセロン錠8mgの製造販売承認、薬価収載、販売開始（販売はヤクルト本社）。
2007年9月：両親会社により合併基本合意発表（杏林製薬への吸収合併）。
2008年
2月：ペンタサ錠の小児適応を取得。
3月～10月：ペンタサ錠500の製造販売承認、販売開始。
10月：杏林製薬株式会社に吸収合併され、解散。

過去販売製品

ペンタサ錠250、500
ペンタサ注腸1g
プレドネマ注腸20mg
ミニトロテープ27mg
デカソフト
オルセノン軟膏
その他一部杏林製薬製品
その他医療用医薬品
ライフロン（経腸栄養剤、流動食）
インテスクリア（大腸検査食）

日清キョーリン製薬は、短期間ながらも、ペンタサ錠という主力製品を中心に、着実に業績を伸ばした製薬会社でした。吸収合併という形でその歴史に幕を閉じましたが、同社が培ったノウハウや製品は、杏林製薬に引き継がれ、現在も医療に貢献しています。

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