潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎（UC）は、主に大腸の粘膜に炎症が起き、潰瘍やびらんが形成される原因不明の慢性疾患です。この病気は、クローン病と共に炎症性腸疾患（IBD）に分類され、主に大腸に限局して炎症が起こる点が特徴です。UCは1950年代から注目されるようになり、厚生労働省から指定難病として認定されています。

症状と発症率

潰瘍性大腸炎の症状には、頻繁な便意、下痢、腹痛などがあります。特に血便や粘血便が見られることが多く、重症化すると、体重減少や貧血、発熱なども関連してきます。発症は多くが15歳から30歳の間でありますが、60歳以上の患者も存在します。2015年時点で、約1120万人がこの病気にかかっているとされています。

合併症

合併症としては、大腸癌のリスクや、腸閉塞などの腸管合併症があり、場合によっては手術が必要になります。また、腸管外合併症としては、関節や皮膚、眼などに影響を及ぼすことがあります。特に眼の合併症は失明のリスクを伴うため、注意が必要です。

原因

潰瘍性大腸炎の原因は依然として不明ですが、遺伝的要因や環境要因（ストレス、食生活の変化、腸内細菌のバランスなど）が指摘されています。また、自己免疫疾患として位置付けられているため、免疫系の異常も関与していると考えられています。

診断と検査

診断は、まず感染性腸炎でないことを確認した後、内視鏡検査や一般検査を通じて行われます。内視鏡検査では、腸管の粘膜の状態を直接観察し、腫れや潰瘍の有無を確認します。

治療法

治療は、炎症の状態に応じて「緩解維持療法」と「緩解導入療法」が行われます。主な治療薬にはサリチル酸製剤やメサラジンがあり、これにより炎症の抑制を図ります。そのほかにも、ステロイド系薬剤、免疫抑制剤、分子標的治療薬などの使用も考慮されます。食事指導や生活の見直しも重要です。

まとめ

潰瘍性大腸炎は、適切な治療によって健康な生活を送ることが可能な病気です。早期の診断と正しい治療を受けることで、症状のコントロールや合併症の予防ができます。定期的なフォローアップや医師との相談を怠らず、病気と向き合うことが大切です。

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