日産・アルマーダ

アルマーダ（ARMADA）

アルマーダは、日産が設計・製造を行うフルサイズスポーツ・ユーティリティ・ビークル（SUV）であり、2003年から販売が開始されました。特にアメリカ市場において人気があり、日産の特徴的な設計思想が色濃く反映されています。ブランド名の「ARMADA」は、スペイン語とポルトガル語で「艦隊」を意味し、強力な存在感を示しています。

初代 TA60型（2003年 - 2016年）

初代アルマーダは、2003年4月にニューヨーク国際オートショーで披露されると、多くの注目を集めました。そのデザインは、フルサイズSUVとしては異色であり、キャビン容量を最大限に活かすため、エンジンをカウルに埋め込むような形状が採られています。この結果、エンジンコンパーメントが非常に短く、丸みを帯びたルーフラインが特徴的です。

同年10月には、北米市場に「パスファインダー アルマーダ」として投入され、搭載されるエンジンは5.6リッターV8DOHCのVK56DE型です。このエンジンはテネシー州デカード工場で製造され、最終的な組み立てはミシシッピ州キャントン工場にて行われました。12月には、アルマーダのライトトラック版であるタイタン（A60型）が北米で展開され、翌年3月にはタイタンを基にした高級SUV版のインフィニティ・QX56が登場しました。

2005年、アルマーダは独立したモデル名となり、ブランドの特立性を強めました。2007年には、シカゴオートショーで2008年モデルを披露し、外観及び内装の仕様が変更されるなど、年を追うごとに進化を遂げました。2009年には2010年モデルが発売され、さらなる改良が行われました。

2代目 Y62型（2016年 - ）

2016年以降、アルマーダは2代目Y62型へと進化を遂げます。このモデルは、主に中東市場で販売されている高級大型SUV、パトロールをベースにしたもので、2010年にモデルチェンジしたQX56やQX80と姉妹車の関係を持つことになりました。アルマーダはパトロールに比べてオフロード性能を強化するためのデザイン変更が施され、アンダーガード付きバンパーやホイールアーチモールが加えられています。

生産は日産車体九州で行われ、一部モデルは日産車体湘南工場にて補完生産が行われます。2016年2月のシカゴオートショーで2017年モデルが初めてお披露目され、その後もモデルチェンジが続きます。2020年12月に発表された2021年モデルでは、エクステリアやインテリアが再設計され、最新の技術が取り入れられました。特に、12.3インチディスプレイやLED式のヘッドライトが新たに採用され、Apple CarPlayおよびAndroid Autoに対応しています。

2022年12月には2023年モデルが登場し、AmazonのAlexaが車載システムに導入されるなど、利便性を大幅に向上させました。アルマーダは、そのユニークなスタイリングと高性能なエンジンにより、家族の旅行やアウトドア活動など、多彩なシーンで活躍することが期待されています。

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