日産・クルー

日産自動車の「クルー」について

「クルー」は、日産自動車が製造していたセダン型の商用車、そしてセダン型の乗用車であり、主にタクシーとしての使用を考慮して開発されました。この車両は1994年から2002年までの期間にわたり、個人向けの「クルー・サルーン」も販売され、さらにはパトカー仕様もラインアップされていました。

設計の特長

「クルー」のベースは、タクシー専用モデルとして設計されたC32型ローレルのフロント部分とY31型セドリックのキャビンおよびリアフロアを組み合わせたものです。この設計により、耐久性や信頼性、整備のしやすさが向上しています。また、ドアの大きさも運転席と左リアドアがそれぞれ50mm大きく設計されており、乗降の利便性が高められています。

パトロールカーや教習車としての使用も行われており、タクシー以外にも多用途で使える性能を持っています。「クルー」は、グレードとしてGLX、GL、E-L、Eの4種類が設定され、特にE-LやEは地方の法人タクシーによく用いられました。一方、GLやGLXといった上級グレードは、個人タクシーでの利用が多いスタイルでした。

自家用向け「クルー・サルーン」

1994年から2002年の間には自家用向け仕様である「クルー・サルーン」が特に注目されました。このモデルは、3ナンバーサイズの大きなボディや、過剰な装備がなく、保守的な60代以上の高齢者に人気がありました。「クルー・サルーン」には、RB20E型ガソリンエンジンや、RD28E型ディーゼルエンジンが採用されており、すばらしい回転フィールを持っていました。さらに、手頃な価格で提供され、高齢のユーザーにも好評でした。

特に注目すべきは、当時急速に減少していたFR（フロントエンジン・リアドライブ）やMT（マニュアルトランスミッション）の選択肢があったことです。これにより、一部のカーマニアからも関心を集め、エンジンスワップやチューニングのベース車両として人気となりました。アフターマーケットパーツの豊富さと、元々の設計からくる高いカスタマイズ性が、この車両の魅力を一層引き立てました。

生産終了とその後

「クルー」の生産は2009年に終了しましたが、耐久性の高さから、現在でも数多くのタクシーやハイヤー会社で現役で活用されています。タクシー用途としては生産終了から多くの年が経過していますが、その性能は依然として多くの運転手に支持されています。

さらに、後継車としては、鹿児島日産が独自に開発したティーダラティオタクシー仕様が2009年に登場し、「クルー」の市場での役割を引き継いでいます。タクシー市場の変遷の中で、「クルー」はその存在感を発揮し、今もなお多くの人々に愛される存在となっています。

まとめ

日産の「クルー」は、ただの商用車ではなく、その設計理念やユーザーのニーズに応えるために生まれた多機能車でした。タクシーとしての信頼性と、一般向けにも魅力的なモデルを提供したため、多くの人々にとって特別な存在となったのです。

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