日産・スカイラインセダン V36

V36型スカイラインセダンの魅力

V36型スカイラインセダンは、日産自動車が製造・販売した高級乗用車です。2001年にモデルチェンジされたV35型の後継として、2006年11月にフルモデルチェンジが行われました。 V36型は、先代の安定した評価を引き継ぎつつも、さらに進化した形で北米市場を意識した開発がなされ、特に開発コストが大幅に増加したことでそのクオリティを向上させています。

キャッチフレーズとマーケティング

このモデルの際立ったキャッチフレーズは、「日本のクルマに、ときめきが帰ってくる。」です。CMには著名な俳優渡辺謙や野球選手イチローが起用され、モデルのイメージ向上に寄与しました。また、海外では日産の高級ブランドであるインフィニティのG35/G37/G25としても販売されています。

警察での利用

驚くべきことに、このスカイラインセダンは日本の警察でも使用されています。350GTセダンは警護用として、250GTセダンは機動捜査隊用として全国の警察本部に配備されています。また、埼玉県警察の高速道路交通警察隊には特に350GTセダンが採用されていることが特徴です。

エンジンとパワートレインの進化

V36型は、新開発のV6エンジンを2種類搭載しています。2.5LのVQ25HR型と3.5LのVQ35HR型があり、約80%の部品が新設計されています。 3.5Lエンジンは、出力が15%以上向上し、燃費性能も改善されています。特に、北米仕様のG35セダン向けに製造されたVQ35HRは、2007年の米ワーズ社の「10ベストエンジン」に選ばれ、13年間連続受賞の快挙を達成しました。2010年からは7速ATも一部のモデルで採用されるようになり、燃費基準にも適合する車両が登場しています。

プラットフォームとシャシー

このモデルは新世代のFR-Lプラットフォームが採用されています。エンジンとミッションの搭載位置が低くなり、他の車両と比較して剛性が強化されています。捩じり剛性や横曲げ剛性も大幅に向上しているため、走行性能が向上しました。また、フロントサスペンションにはダブルウィッシュボーン式が採用され、リアには軽量化されたマルチリンク式が配置されています。

デザインの特徴

エクステリアデザインは、先代からの伝統を継承しつつも新しい優れたラインを持っています。ダブルアーチグリルや丸型リアコンビネーションランプなどが特徴ですが、より抑揚のあるフォルムに仕上げられています。インテリアも従来の直線的なデザインから「ダブルウェーブ」と呼ばれる新しいスタイルに改良されています。この内装により、スポーティな乗車姿勢が実現されています。

車載インフォテインメント

ナビゲーションシステムは日産初のHDDタイプが搭載され、音楽を最大約3,000曲分収録することができます。また、BOSE社製のオーディオシステムが採用されており、快適な車内音響体験を提供します。さらに、内装には本木目やアルミのパネルが使用され、高級感が演出されています。

グレード構成と特別仕様

グレード展開も幅広く、250GTから350GT、370GTまで多彩な選択肢があります。特別仕様車も数多く展開され、50周年記念の「50th Limited」や55周年の「55th Limited」などの特別モデルが設定されています。

年表と評価

このモデルは、2006年の発表から2014年まで販売され、多くの賞を受賞してきました。特にスポーツニッポンの「キング・オブ・カー」やグッドデザイン賞を含む数々の栄誉が、V36型スカイラインセダンの人気を裏付けています。

今でも多くのファンを持ち、日産の誇る名車の一つとして語り継がれています。

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