日産・スタンザ

スタンザ（STANZA）

スタンザは、日産自動車が1977年から1993年まで生産したセダンおよびハッチバック型の乗用車です。日産のバイオレットおよびオースターと姉妹車関係にあり、特に高級感を持つモデルとして、多くのユーザーに支持されました。

初代 A10型系（1977年 - 1981年）

初代スタンザは1977年8月に登場し、当初はサニー店で販売されました。バイオレットやオースターと類似した特徴を持ち、「ミニ・セドリック/グロリア」としての位置付けがなされ、豪華な内外装が施された「小さな高級車」として親しまれました。ボディは4ドアセダンのみが生産され、角型ヘッドライトが特徴でした。エンジンにはL型直列4気筒の1.6L（L16）を採用し、後輪駆動のレイアウトが採られました。オーストラリアでは1978年から1982年にかけて1.6Lエンジンの4ドアセダンのみが現地生産され、「ダットサン・スタンザ」として販売されました。

初代は、1978年に排出ガス規制に対応したE-PA11型に改良され、1.8Lエンジン（Z18）を追加。さらに1980年には5ドアハッチバックの「スタンザリゾート」や、女性向けの「エレガントエクストラ」が発表されました。この初代モデルは最終的に約13万台が登録されました。

2代目 T11型系（1981年 - 1986年）

1981年6月に発売された2代目スタンザは、姉妹車のバイオレットリベルタやオースターJXとともに前輪駆動（FF）化されました。車名は「スタンザFX」としてエンジンは新開発のCA型が搭載され、排気量は1.6Lおよび1.8Lでした。前期型はモダンなデザインが特徴であり、北米仕様は規制に応じた角型ヘッドライトが採用されました。

1983年には大幅なマイナーチェンジがあり、外観が一新されましたが、北米仕様は従来のスタイルを維持しました。この代では、5ドアハッチバックが廃止され、新たに3ドアハッチバックが追加されました。登録台数は約10万台を記録しました。

3代目 T12型系（1986年 - 1990年）

1986年に登場した3代目スタンザは、再び「スタンザ」と名付けられ、基本設計はU11型ブルーバードと共通化されました。このモデルも4ドアセダンのみの構成で、エンジンには1.6Lと1.8Lのオプションが揃えており、米国では3代目オースターとして販売されました。

1987年には10周年記念として特別仕様の「エクストラサルーン」が発売され、1988年にはマイナーチェンジが行われました。その後、1990年には日本国内での生産が終了し、累計登録台数は約4万台に達しました。

4代目 U12型系（1989年 - 1992年）

1990年代初頭の新たな展開として、4代目スタンザはフルモデルチェンジが行われ、完全な姉妹車としてブルーバードと同じ基本設計を供用しました。スタンザはセダンのみをラインナップし、フロントフェイスやバンパー、ヘッドライトが異なりました。

5代目 スタンザアルティマ U13型系（1992年 - 1993年）

1992年には、ブルーバードよりもやや遅れて5代目スタンザが登場しました。新たに「アルティマ」というサブネームが追加され、外装設計はブルーバードSSSと共有していましたが、いくつかの細かな変更が加えられました。1994年には「スタンザ」の名前が外れ、単独ネームとして「アルティマ」として売り出されました。

車名の由来

「スタンザ」はイタリア語で「部屋」を意味し、「スプレモ」はスペイン語で「最高、至高」を意味する言葉です。また、「FX」は「Future X」の略で、スタンザの先進性を感じさせる命名にもなっています。

このように、スタンザは日産車の中でも特に洗練されたデザインと技術を持ち合わせたモデルとして、多くの自動車ファンから愛され続けました。

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