日産・タイタン

日産・タイタン（TITAN）

日産自動車が北米市場向けに展開するフルサイズピックアップトラック「タイタン」は、力強いデザインと高性能が特徴のモデルです。初代タイタン（A60型）は2003年から2015年まで製造され、その後登場した2代目（A61型）はより洗練されたパフォーマンスを誇ります。

初代タイタン（A60型）

初代タイタンは日産として初めてのフルサイズピックアップトラックであり、全モデルに搭載されているエンジンはV型8気筒のVK56DE型です。このエンジンはジヤトコ製の5速ATと組み合わされ、強力な走行性能を実現しています。タイタンのフレームは頑丈なフルボックス式ラダーフレームで構成され、後輪駆動または四輪駆動システムを選択できるようになっています。

キャビンはキングキャブとクルーキャブの2種類が用意されており、特にキングキャブはユニークな観音開きのリアドアを採用しているため、後部座席へのアクセスが非常に便利です。生産は米国ミシシッピ州のキャントン工場で行われ、エンジンはテネシー州デカード工場で製造されています。

開発は1999年からスタートし、内部と外部のデザインは2001年に確定しました。同年の北米国際自動車ショーで初公開され、2003年には販売を開始しました。タイタンは日産のフルサイズプラットフォームであるF-Alphaを基に設計されており、アルマーダやインフィニティ・QX56との共通点もあります。

この初代タイタンは多くの革新機能が評価され、2004年にはベスト・フルサイズトラックとしてEdmunds.comから選ばれ、さらに北米トラック・オブ・ザ・イヤーも受賞しました。革新的な設備や広い室内空間、牽引能力などが評価の根拠となりましたが、競合他社に比べてシングルキャブやV6エンジン搭載の廉価版が設定されていなかったことは批判の声もありました。

2代目タイタン（A61型）

2015年には、北米国際オートショーで2代目タイタンが公開され、従来モデルからの大幅な改良が行われました。標準装備のエンジンは5,552ccのV型8気筒のVK56VD型で、これに7速ATが組み合わさります。さらに、5,000ccのカミンズ製ディーゼルエンジンも選択肢として提供されていました。

第2世代のタイタンには通常型と「タイタンXD」があり、XDはより大きな積載能力を誇ります。2023年現在、タイタンはキングキャブとクルーキャブの2タイプ、タイタンXDはクルーキャブのみを用意しています。

さまざまなグレードも展開され、標準モデルのほか、装備内容を充実させたSVや、特別仕様のPRO-4X、さらに最上級モデルのPLATINUM RESERVEが数多くの機能を搭載しています。全モデルにはBluetooth、エアコン、リアビューバックアップカメラなどが標準で装備され、オプションではGPSナビゲーションや高級オーディオシステムなども選択可能です。

2020年には、販売不振によりレギュラーキャブやディーゼルエンジンが廃止され、朝olognaも新しい9速ATが導入されるなどモデルが改良されました。しかし、需要の減少により、日産はフルサイズトラック市場から撤退する方針を示し、タイタンの生産は2024年モデルを最後に終了することが発表されました。タイタンはその名の通り、力強い印象と実用性を兼ね備えたトラックで、多くのファンに支えられてきました。

車名の由来

「タイタン」という名称は、ギリシャ神話の巨人族を名付けたものであり、その名前には「大きさ」と「力強さ」が込められています。なお、他メーカーのモデルとは全く異なる存在として、日産・タイタンは特別な位置づけにあります。

このように、タイタンは日産のクオリティと性能を誇示するモデルであり、今後の自動車市場において進化を続ける期待が寄せられています。

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