日産・ティアナ

ティアナ（TEANA）

ティアナは、日産自動車が製造した高級大型セダンであり、2003年から2020年までの間に3つの世代が販売されました。この車両は、特にアジアおよびオセアニア市場における世界戦略車として位置付けられ、多数の国で展開されました。日本国内では、福岡県にある日産自動車九州が生産を担当していました。

初代 J31型（2003年 – 2008年）

初代ティアナは2003年2月3日にリリースされ、ローレルやセフィーロの後継モデルとして登場しました。キャッチコピー「クルマにモダンリビングの考え方」に基づき、内装にはモダンなデザインが取り入れられ、オットマンシートも標準装備されました。アジアとオセアニアを中心に40カ国以上で販売され、年間目標販売台数は10万台とされ、最終的には約40万台が販売されました。特に中国市場での販売が目立ち、16万台以上を記録しました。

デザインはシンプルでありながら威圧感を抑えたもので、外見は大きく見える印象を与えながらも洗練されたスタイルが特徴的でした。また、安全性を重視し、ABS、エアバッグ、そして初の「インテリジェントキー」などの新技術を導入しました。

2代目 J32型（2008年 – 2014年）

2代目となるJ32型は、Dプラットフォームを採用し、衝撃吸収性や静粛性を大幅に向上させました。エンジンはVQ25DE型にアップグレードされ、環境面にも配慮された設計がなされました。内装はHDDナビゲーションが採用されるなど、技術革新が進みました。デザインは、より曲線を取り入れたもので、特に中国市場向けには高級感を重視した外装が好評でした。

このモデルでは、助手席には今まで継続されたオットマンシートが搭載され、前席の快適性が向上しました。エクステリアも見直され、プラットフォームの変更に伴う剛性向上が図られました。

3代目 L33型（2013年 – 2020年）

3代目のL33型は、従来の「モダンリビング」や「OMOTENASHI」の考え方をさらに進化させ、走行の快適性を重視した設計がなされました。姉妹車のアルティマとのコスト削減を図りつつも、安定した操縦性を実現しました。この世代では従来のV型エンジンを廃止し、直列4気筒エンジンのみの設定となりましたが、燃費の向上が図られたのです。

安全面でも充実した装備が取られており、衝突被害軽減ブレーキやセンサーによる運転支援技術が採用されました。エクステリアデザインでは、鮮やかな新色やLEDライトが採用され、スタイリッシュな印象を与えました。

車名の由来

「ティアナ」はネイティブ・アメリカンの言葉で「夜明け」を意味し、中国市場では「天籟」と表記され、「大自然の息吹」を示しています。さらに、中国市場では、同名の高級車変更が用意されていました。

まとめ

ティアナは、その新設計のテクノロジーとデザインで多くの人々の心をつかみました。日本国内では2016年に販売終了しましたが、ティアナの影響は日産の高級セダン市場において今も色濃く残っています。

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