日産・パラメディック

日産・パラメディック（PARAMEDIC）について

日産・パラメディックは、1993年より製造されている高規格救急車で、日本市場ではトヨタ・ハイメディックに次ぐシェアを誇っています。救急サービスの重要性が高まる中、パラメディックは現代の救急活動に必須な車両として認識されています。

初代パラメディック（1992年-1997年）

初代は、1991年に東京モーターショーで参考出品された後、1992年にアトラス20をベースに全国発売されました。このモデルは、救急救命士制度に適応し、高度な応急処置が可能な専用設計が特徴でした。特に目を引くのが「電動格納式防振架台」で、救急医療の急変に迅速に対応するための重要な機能となっています。1995年にはベース車両がいすゞ・エルフに変更されましたが、その後、1997年に生産は終了しました。

パラメディックII（1994年-1997年）

取り回しの悪さを改善するため、パラメディックIIが1994年に登場しました。このモデルは、E24型キャラバンをベースにしたコンパクトな車体と、限られたスペースを最大限に活用したデザインが特徴です。パラメディックIIは1997年に生産が終了しましたが、その後も同種の患者搬送車は販売されました。

2代目パラメディック（1998年-2017年）

1998年に登場した2代目パラメディックは、初代とパラメディックIIを統合したモデルとして設計されました。この新モデルは、初代エルグランドのフロントセクションとE24型キャラバンのボディを流用し、エルグランド比で125mm、キャラバン比で210mmも拡幅された特殊なボディが採用されました。搭載されるエンジンはV型6気筒で、さらに4WD設定が追加されました。

パラメディックは2001年にマイナーチェンジを受け、エンジンをVQ35DEに変更、燃料の質もアップグレードされました。その後、多くの改良を経て、最終的には2017年まで販売が続けられました。

3代目パラメディック（2018年-）

2017年に東京モーターショーで一般公開された3代目は、NV350キャラバンをベースにした最新の救急車です。この新しいパラメディックは、パワートレインに直列4気筒エンジンを採用し、燃費改善を実現しつつも動力性能を保持しています。患者スペースの設計も大幅に改善され、3人の付添人が同乗可能になりました。

LEDを使用したヘッドランプや警光灯も装備され、視認性が大幅に向上しました。2020年には日本初の電動ストレッチャーシステムを追加し、さらなる機能向上に取り組んでいます。

2022年には動力性能、燃費、静粛性が向上するマイナーチェンジが行われ、安全機能として「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」が追加されました。これによって、現代の救急医療に柔軟に対応する能力がさらに向上しています。

車名の由来

「Paramedic」は、救急救命士を指す用語であり、緊急医療処置が可能な職業を表す言葉です。この名称は、日産がこの車両に込めた医療従事者への敬意を示しています。救急車としての高い性能と信頼性は、日産の技術力とデザインの結実です。

製造および販売

日産・パラメディックは、オートワークス京都湘南事業所で製造され、日産自動車ディーラーを通じて販売されています。近年の環境意識や技術進化に伴い、救急車の役割も変化している中で、日産はそのニーズに応え続けています。

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