日産・モコ

日産 モコ（MOCO）

モコは日産自動車が販売した軽トールワゴンで、スズキのMRワゴンのOEM版です。2002年に初代モデルが登場し、日産の軽自動車ラインアップの中で重要な位置を占めていました。販売戦略の一環として軽自動車市場への参入を目指し、軽自動車カテゴリでの顧客拡大を図るものでした。

歴史的背景と発売経緯

日産は、1999年に独自開発した軽自動車「ハイパーミニ」を除けば、モコが初の軽自動車としての販売だったため、重要な意味を持ちます。モコの誕生は、日産リバイバルプランの一部であり、特にカルロス・ゴーン体制での経営方針の転換によって実現しました。この戦略のもと、2001年にスズキとのOEM供給に関する合意が発表されました。

軽自動車の特長である黄色ナンバープレートを用いた広告戦略も展開され、販売促進活動における積極的な姿勢が見受けられました。また、モコは軽商用車への展開も行い、2003年からはクリッパーシリーズとして販売も開始しました。

モコのスタイルと機構

モコは、MRワゴンと基本的なデザインを共有していますが、日産独自のデザイン要素が取り入れられていて、一目で日産の製品と分かる特徴を有しています。特に、フロントグリルのデザインは日産車のアイデンティティを強調するものとなっています。

また、モコは「若いアクティブなママが、子供と一緒にどこへ行ってもジャストフィットできるベストパートナー」というコンセプトのもと製造されました。エンジンは初代と2代目がK6A型の自然吸気及びターボエンジンの2種類を搭載し、トランスミッションは4速ATが採用されましたが、3代目ではR06A型の新型エンジンやCVTへと進化しました。

モコのモデル変遷

モコは3世代にわたって生産されました。

初代（2002年 - 2006年）

初代モコは2002年4月に販売開始。シートアレンジ機能に優れた設計が特徴で、グレード構成も多様でした。特にターボエンジンを搭載したモデルは、スポーティな要素も兼ね備えていました。

2代目（2006年 - 2011年）

2代目は、2006年に販売が開始され、デザインに加え、内装の質感向上に努め、全グレードでABS標準装備となるなど、安全性が強化されました。また、モコ専用のボディカラーが設定され、消費者から好評を得ました。

3代目（2011年 - 2016年）

3代目は2011年にフルモデルチェンジされ、室内空間の拡大や内装の上質感向上が図られました。また、エコカーとしての取り組みも行われ、アイドリングストップ機能を持つグレードも設定されました。さらに、特別仕様車の「ドルチェ」シリーズも追加され、女性層へのアプローチが強化されました。

モコの販売終了とその後

2016年には生産終了が発表され、日産自動車の軽自動車市場においては、デイズやデイズルークスが後継車両として位置付けられることとなりました。モコはかわいらしく、機能的で実用的な軽自動車として多くのファンに支持されましたが、次第に時代の流れとともにその役目を終えることとなりました。

まとめ

モコは、日本の軽自動車市場において、日産自動車が重要な役割を果たした車両であり、そのデザイン・機能性は多くのユーザーに受け入れられました。その影響力は、即ち日本の自動車文化における一つの象徴であったと言えるでしょう。モコは、デザインと機能性を兼ね備えた愛される軽自動車として心に残っています。

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