日産・180SX

180SXの概要

180SX（ワンエイティ・エスエックス）は、日産自動車によって製造された3ドアハッチバックタイプの乗用車であり、シルビアの姉妹車として位置付けられています。このモデルは、北米向けに販売された240SXのファストバックタイプを日本向けに改良したものです。

基本構造

180SXの基本的なエンジン、トランスミッション、サスペンションといった設計は、S13型シルビアと共通しています。また、インテリアの多くの部分、例えばドアパネルやフロントウインドシールドも同様です。ただし、ヘッドランプはSAE規格に対応した角型のリトラクタブルヘッドランプを備えており、これは法律上的な理由から変更されたものです。このため、様々な部品の互換性が確保されており、車両の外観交換が容易であるという特長を持っています。これにより、シルエイティのようなカスタム車も生まれました。

日本国内での登場

180SXは、S13型シルビアのリリースから1年遅れで市場に登場しました。その背景には、シルビアが人気を集めていたのに対し販売戦略としてハッチバックスタイルの魅力が求められた点がります。初期の販売においては、スタイリッシュかつスポーティなデザインが支持されましたが、ハッチバック特有のボディ剛性の弱さから、走行性能に特にこだわるユーザー層にはシルビアほどの人気は得られませんでした。しかし、2.0Lエンジンを搭載したマイナーチェンジモデルが登場すると、そのルックスの向上に伴い人気が戻ってきました。

1996年以降の展開

日本国内では、シルビアが次世代モデルへと移行する中でも180SXの生産は続きました。これにより、5ナンバー枠のFR車としての存在価値が再評価される場面も見られました。180SXはマイナーチェンジを重ねながらも約10年にわたり市場に留まり続けましたが、市場自体のクーペ需要の減少に伴い、次第に販売台数は減少しました。

改造の文化

後期モデルも手作業での生産が増えたことで、1890SXは特に改造ベースとしての人気が高まりました。軽量でFR駆動という特長も影響し、ドリフト用パーツが多様に取りそろえられています。アフターマーケットでは、180SXはシルビアと併せて人気を持っていますが、若者の無謀運転による事故が多く発生したため、自動車保険の料率は高めに設定されています。

北米および欧州市場における展開

海外では、180SXは240SXとして販売され、2.4Lエンジンを搭載。また、欧州向けには200SXが1.8Lターボエンジン搭載で流通していました。

車名の意味

「180」とは、初期型に搭載された1.8Lのエンジンを意味し、「SX」は日産のミドルサイズ・スポーティークーペを指しています。1991年のマイナーチェンジ以降、2.0Lエンジンに変更されたにも関わらず、車名は「180SX」のままとなりました。この呼称は、愛好者の間では「ワンエイティ」または「ワンパチ」などと親しまれています。

改造車について

180SXを改造した車両には「シルエイティ」や「ワンビア」などがあります。シルエイティは180SXのフロント部分をシルビアに変更したもので、ワンビアはその逆のパターンです。

まとめ

180SXは、そのスポーティな特徴と扱いやすさから改造のベースとしても高く評価されています。日本国内外での需要が生まれ続けているのは、このモデルの魅力によるものでしょう。

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