日産・NV350キャラバン

NV350キャラバン（NV350 CARAVAN）

NV350キャラバンは、日産自動車によって製造・販売されている商用バンであり、キャラバンシリーズの5代目に該当します。2012年6月15日に11年ぶりのフルモデルチェンジを発表し、同時に販売を開始しました。この新しいモデルは、特に商用車市場においてその存在感を強く示すことを目的としており、長年のライバルであるトヨタ・ハイエースを意識した開発が行われました。

モデルチェンジの背景

モデルチェンジに際して日産のCOOである志賀俊之は、「小型商用車のトップブランド」としての地位を確立すべく、クラスのシェア40%を狙うと表明しました。デザイン面においては、チーフデザイナーである倉岡亨一が手掛け、両サイドにプラグ式ウインドウを持つデザインを採用しています。

特徴とエンジン

NV350キャラバンは、ガソリン車とディーゼル車の両方が展開され、ディーゼル車には「クリーンディーゼル・テクノロジー」が搭載されています。具体的には、YD25DDTi型エンジンが採用され、低回転からのトルクを強化するためのターボチャージャーの特性が見直されました。この結果、余裕のあるトルクを実現し、同時にNOxの発生を抑制する技術が導入されています。ガソリン車ではQR20DE型やQR25DE型エンジンが使用されていますが、燃費向上のための様々な改良も施されています。

グレードと仕様

NV350キャラバンは、多様なグレード体系を持っており、バンは「DX」と「プレミアムGX」、ワゴンは「DX」と「GX」で、それぞれロングボディやスーパーロングボディといった選択肢があります。また、オーテックジャパンによるカスタムカー「ライダー」も登場し、専用のフロントマスクが採用されています。

年表と進化

2011年11月の第42回東京モーターショーでその存在が発表され、2012年の販売開始後は順次新しいグレードや仕様が追加されました。2013年には新たなグレードである「GX（オートスライドドア付）」が登場し、さらに便利性が向上しました。また、2016年には衝突被害軽減ブレーキが標準装備化され、2021年には車名が「キャラバン」へと変更されるなど、常に進化を続けています。

現在の動向と用途

今日、NV350キャラバンは様々な商用・特装車両としても利用されており、特に千葉県警察の移動交番車に改造されて使用されている例もあります。このように、幅広い用途に応じてカスタマイズ可能な点が、NV350キャラバンの大きな魅力となっています。

これからも、その性能や用途に応じたバリエーションを持つNV350キャラバンは、商用バン市場における重要な存在であり続けるでしょう。

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