日立テレビシティ

日立テレビシティ

『日立テレビシティ』（ひたちテレビシティ）は、1982年4月21日から1986年4月12日まで、TBS系列で放送された特別番組の枠です。この番組は日立製作所が単独提供し、さまざまなジャンルの番組を毎週放送していました。

背景

1970年代から続く『水曜劇場』は視聴者に支持されていましたが、1980年代に突入するとその視聴率が低下していました。そのため、TBSは視聴率の向上を目指し、スポンサーとの協力を強化しました。この際、日立製作所と新たな番組枠の設立が合意され、水曜9時の枠に移動することになりました。特に、競合の日本テレビの『水曜ロードショー』やテレビ朝日の『欽ちゃんのどこまでやるの!』との視聴率競争があったため、TBSは新たな魅力ある番組作りが求められました。

日立は「ノンジャンルの特別番組を毎週放送したい」という意向を持ち、これを受けて『日立テレビシティ』がスタートしました。大山勝美がプロデューサーとしてこのプロジェクトに関わり、制作チームには当時の人気司会者や俳優が名を連ねていました。

プログラムの内容

『日立テレビシティ』のオープニング番組は『テレビ・夢・未来』であり、石坂浩二や宮崎美子が司会を務めました。この番組ではビートたけしやタモリなど、著名な出演者が顔を揃え、毎週のように新たな企画を展開しました。初回放送の2週目には青島幸男が直木賞を受賞した作品『人間万事塞翁が丙午』が登場し、その後は様々な単発スペシャル企画が放送されるようになりました。

オープニングタイトルには、著名なイラストレーター長岡秀星による印象的なイラストが使用され、視覚的にも楽しませていました。また、番組の合間には日立を紹介する内容が盛り込まれており、独自のサウンドロゴも親しまれていました。

放送内容の多様性

『日立テレビシティ』ではさまざまな番組ジャンルが取り入れられており、ドラマおよびバラエティ番組が特に人気を博しました。代表的なテレビドラマには『人間万事塞翁が丙午』や『アイコ十六歳』、さらには『Wの悲劇』などがあり、視聴者から高い評価を得ていました。また、バラエティ番組としては『ニャロメのおもしろ数学教室』や生放送形式の『プロ野球を100倍楽しく見る方法』が話題となりました。

音楽番組やドキュメンタリーも多く、オフコーススペシャルや薬師丸ひろ子を取り上げたドキュメンタリーなど、視聴者を飽きさせない工夫が凝らされていました。こうした多種多様なプログラムは、視聴者の興味を引き続け、87年までに多くの視聴者に親しまれることとなりました。

終焉とその後

1984年10月、他局で放送される新たな番組の開始に伴い、『日立テレビシティ』は土曜の22:00枠に移動しました。その後、1986年4月19日には後継番組『日立 世界・ふしぎ発見!』がスタートし、日立が提供する枠は引き続き続けられることとなりますが、2024年3月をもって終了が決定しています。これにより、TBSにおける日立製作所の長年にわたる一社提供としての幕が下ろされることとなりました。

まとめ

『日立テレビシティ』は、1980年代の特別枠として、視聴者にエンターテイメントを提供し続けた番組でした。その多様なプログラムとともに、日立製作所のブランドイメージを強化する役割も果たしました。

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