日系パラグアイ人

日系パラグアイ人とは

日系パラグアイ人とは、日本人の血を引くパラグアイ人のことです。彼らの歴史は、1912年に佐幸田兼蔵がプエルト・カサードのタンニン工場に勤務したことに始まります。その後、ブラジルでの日本人移民制限を機に、パラグアイへの移住が本格化しました。

歴史

初期の移住と入植

ブラジルでの日本人移民禁止を受け、日本の土地会社はアスンシオン南東部に日本人入植地を建設しました。さらに、ボリビアからの移住者も加わり、日系パラグアイ人社会が形成されました。第二次世界大戦中には、日系パラグアイ人は他の外国人とともに非難されることもありましたが、戦後には多くの難民が定住しました。

戦後の発展と政府の支援

1950年代には、エンカルナシオン近郊に新たな入植地が建設され、1953年には日芭拓殖組合が日本人移住を支援しました。また、1959年からは日本海外移住振興会社がイタプア市で農業移住地を開拓しました。これらの成功を受けて、1959年にパラグアイ政府と日本政府は移民協定を結び、85,000人の移民受け入れを合意しました。しかし、実際には1989年までに約7,000人しか移住しませんでした。

都市と地方の生活

日系パラグアイ人は、都市部よりも農業入植地に定住する傾向が強く、1980年代には約8,000人が地方に住んでいました。都市部に住む日系人は比較的少数です。

人種間結婚と出身地

日系パラグアイ人の人種間結婚は、他のパラグアイ人との間で偏りが見られますが、一部はスペイン系パラグアイ人と結婚しています。一世移民の出身地は岩手県が最も多く、沖縄県出身者の割合が少ないのが特徴です。

東日本大震災後の支援と移住

2011年の東日本大震災後、日系パラグアイ人の農家を中心に「100万丁豆腐プロジェクト」が実施され、日本への支援が行われました。また、福島第一原子力発電所事故を理由にパラグアイに移住する日本人も増えています。

記念式典と首脳会談

2016年には日本人移住80周年式典が開催され、眞子内親王が出席しました。2018年には、安倍晋三首相がパラグアイを訪問し、大統領との会談や日系パラグアイ人との懇談を行いました。

言語

日系パラグアイ人は、スペイン語、日本語、グアラニー語の3か国語を話します。初期の入植地では日本語教育も行われましたが、現在は補修程度にとどまっています。しかし、一世や一・五世の中にはネイティブな日本語を話す世代も多く、これは他のラテンアメリカ諸国の日系人と比較した際の特徴です。

宗教

日系パラグアイ人の多くはカトリック教徒ですが、仏教徒や神道の方もいます。

著名な日系パラグアイ人

岡林洋一 - 元プロ野球選手（後に日本に帰化）
松岡ジョナタン - プロサッカー選手（母方が日系）
* ミチオ高倉 - 日本語新聞日系ジャーナル紙の編集長

結論

日系パラグアイ人は、パラグアイ社会において独自の文化とアイデンティティを維持しながら、地域社会の発展に貢献しています。彼らの歴史は、移住、文化交流、そして異なる文化間の架け橋となることの重要性を示しています。

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