日置川町

日置川町の概要

日置川町（ひきがわちょう）は、和歌山県西牟婁郡に位置していた町で、2006年3月1日に周辺の白浜町と合併し、新たに白浜町が発足しました。町の位置や歴史、文化、産業など、日置川町の特徴を詳しく見ていきましょう。

地理

日置川町は紀伊半島の西側に広がっていました。町域は主に日置川に沿っており、河口部を除けば平地がほとんど見られない特徴があります。豊かな自然環境を持ち、日置川の上流部では林業が行われていました。中心集落の「日置」は、珍しい平地に位置し、古くから木材の集散地として発展しました。上流から運ばれた木材がこの地域で集められ、港から船で出荷されていました。

隣接する自治体

日置川町は、北西に上富田町、西には田辺市、南にはすさみ町が隣接しており、また東側の一部では古座川町とも接しています。

歴史

日置川町の歴史は、川の利用と密接に結びついています。1956年に川添村、三舞村、日置町が合併して日置川町が誕生し、2006年に白浜町と合併しました。

行政

日置川町の最後の町長は前義郎氏で、1996年に就任し、合併の際には新しい町の形成に寄与しました。

産業と経済

1995年のデータによれば、日置川町の就業人口は第一次産業397名、第二次産業630名、第三次産業1,077名と、第三次産業が主な雇用源となっていました。町内では林業や川添茶、レタスなどの作物栽培が行われており、特に日置川の上流での炭の生産が盛んでした。

原子力発電所誘致問題

高度経済成長期以降、和歌山南部地域では人口減少や税収減が深刻な問題となり、関西電力が1976年に原発建設を計画するようになりました。これが町内で賛成派と反対派の対立を招き、町民間の分裂を生じました。反対派の三倉重夫氏は、後に反原発の方針を徹底させ、2005年には原発誘致の方針が正式に撤回されました。

教育

日置川町内には、小学校が6校、中学校が3校存在していましたが、高等学校や大学はなかったため、教育機関の充実には限界がありました。各学校は地域に密着した教育を提供していました。

交通

日置川町には、紀勢本線の紀伊日置駅があり、町の中心部からは2kmほどの距離に位置していました。国道42号が町を通り、道の駅志原海岸も町の名所となっていました。

名所と観光スポット

日置川町は「鮎とテニスの町」として知られ、特に日置川ではアユ釣りが盛んに行われていました。観光名所としては、熊野古道や様々な滝、神社などがあり、地域の自然や文化を感じることができます。また、温泉施設もあり、訪れる人々に癒しの場を提供しました。

日置川町という地域は、その豊かな歴史と自然環境、そして独自の文化を持つ特徴的な町でした。

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