日置駅

日置駅（ひおきえき）

日置駅は、かつて鹿児島県日置郡日吉町（現在の日置市日吉町）に位置していた、鹿児島交通枕崎線（旧南薩鉄道）の廃駅です。この駅は、地域の交通を支える重要な役割を担っていましたが、路線の廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

1914年（大正3年）4月1日、南薩鉄道の駅として開業しました。開業当初は、日置村大字日置に位置し、地域の発展に大きく貢献しました。開業時の1ヶ月あたりの乗客数は4,000人、貨物発送量は700トン、貨物到着量は200トンと、非常に活気がありました。

1964年（昭和39年）9月1日には、三州自動車との合併により、鹿児島交通枕崎線の駅となりました。これにより、路線の運営体制が変わり、新たな体制下で運行が続けられました。

しかし、1983年（昭和58年）6月21日、水害により伊集院駅と上日置駅の間にある大田トンネルで漏水が発生し、路線が使用不可能となってしまいました。これにより、日置駅から加世田駅までの区間のみでの運行となり、大きな影響が出ました。そして、復旧することなく、1984年（昭和59年）3月17日に枕崎線が全線廃止されたことに伴い、日置駅もその歴史に幕を閉じました。

駅構造

日置駅は、島式ホーム1面2線を有する交換可能駅でした。これにより、上下線の列車の行き違いが可能であり、列車の運行効率を高める役割を果たしていました。

取扱貨物

日置駅では、1914年（大正3年）の開業時から1971年（昭和46年）の貨物運輸営業廃止まで、貨物の取り扱いが行われていました。開業当初の取扱貨物は、発送量が700トン、到着量が200トンでした。

「日吉町郷土誌」によれば、発送貨物には瓦、漁網、箕、材木、坑木、木炭、麻、生糸などがあり、到着貨物には食塩、昆布、そうめん、陶磁器、石炭、砂糖、肥料など、地域で生産された物産や生活物資が取り扱われていました。これらは、地域の産業や生活を支える上で重要な役割を果たしていました。

周辺

以下は、日置駅が廃止された1984年（昭和59年）当時の周辺施設です。

日置郵便局
日吉町役場
日吉町立日吉中学校
日吉町立日置小学校

これらの施設は、駅周辺の地域社会を形成する上で重要な役割を担っていました。

隣の駅

鹿児島交通（南薩鉄道）枕崎線

上日置駅 - 日置駅 - 吉利駅

脚注

参考文献

日吉町郷土誌編さん委員会『日吉町郷土誌 下巻』日吉町長 野元春男、1988年。

関連項目

日本の[[鉄道駅一覧]]

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