日豪関係

日本と[オーストラリア]]は、環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)や経済協力開発機構]などの国際的な枠組みで連携する重要なパートナーです。[[オーストラリアにとって日本は主要な輸出市場であり、両国は互いの成長とアジア太平洋地域の繁栄に不可欠な存在として認識しています。

外交

1976年に日豪友好協力基本条約を締結して以来、両国関係は着実に強化されてきました。2006年には、両外相が「同じ民主主義の価値観、互いの尊重、深い友好、そして同じ戦略的見解」に基づく「これまでより強い協力関係」を宣言しました。両国は、APEC、ASEAN地域フォーラム(ARF)、東アジアサミット(EAS)などの地域フォーラムでの協力も推進しています。しかし、捕鯨問題では意見が対立しており、オーストラリアは日本の調査捕鯨に懸念を表明しています。

過去には、オーストラリアがパリ講和会議で日本の人種差別撤廃提案を廃案にしたことが、日本の外交政策に影響を与えたこともありました。しかし、近年では、両国間の友好関係は大きく進展しています。

2018年、安倍晋三首相がダーウィンを訪問し、ダーウィン空襲の犠牲者を慰霊しました。この訪問は地元紙で好意的に報じられ、両国関係の象徴的な出来事となりました。2020年には、モリソン首相が安倍首相の辞任に際し、両国間の絆の重要性を強調しました。2022年には、日豪円滑化協定が締結され、両国関係はさらに深化しています。

経済

1960年代から1970年代にかけて、オーストラリアの貿易はアジア中心へと転換し、日本は主要な貿易相手国となりました。現在、日本はオーストラリアにとって中国に次ぐ大きな輸出市場であり、オーストラリアは日本にとって重要な輸出国の一つです。オーストラリアは日本に対して貿易黒字を維持しています。

オーストラリアは、日本にとって食糧と資源の重要な供給国です。特に、石炭、鉄鉱石、羊毛、砂糖、ウランなどは、日本がオーストラリアに大きく依存しています。これらの資源開発には、欧米や日本からの直接投資が貢献しています。

2015年には日豪経済連携協定(EPA)が、[2018年]]には[[環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定]が発効し、両国間の経済連携はさらに強化されています。

軍事

日本とオーストラリアは、アメリカとの緊密な軍事関係を基盤として、防衛協力も進めています。自衛隊はイラクでオーストラリア軍と復興活動に従事し、2007年には日豪安保共同宣言を締結しました。この宣言では、PKOの共同訓練、大量破壊兵器対策、テロ対策、国境を越えた犯罪防止など、幅広い分野での協力が合意されました。

日豪の外交・防衛閣僚による定期協議(2プラス2)も行われており、オーストラリアはアメリカを除く初の安保協力国となりました。2014年には、武器輸出三原則の改訂を受けて、防衛装備品の共同開発に向けた協議も進められています。オーストラリアは、日本の集団的自衛権の行使容認を支持しており、日豪協力関係の強化につながると期待しています。

旅行

かつて、オーストラリアは日本人観光客に人気の旅行先でしたが、近年は旅行者数が減少しています。旅行先の多様化やブームの終焉などが原因と考えられています。一方、日本はオーストラリア人にとって人気のスキーリゾート地として知られており、特に北海道や長野県は雪質の良さから人気を集めています。しかし、一部の旅行者のマナー違反も問題となっています。

捕鯨

捕鯨問題は、日豪間の対立点の一つです。日本は捕鯨文化を尊重し、商業捕鯨の再開を目指しています。一方、オーストラリアは反捕鯨の立場を強く主張し、日本の調査捕鯨に反対しています。2010年には、オーストラリアが日本を国際司法裁判所に提訴し、日本は敗訴しました。

オーストラリア人の対日感情

近年、オーストラリアでは日本の調査捕鯨に反対する世論が高まっていますが、全体的に見ると対日感情は良好です。BBCワールドサービスやピュー研究所の調査では、オーストラリア人の多くが日本の影響力を肯定的に捉えており、世界でも最も親日的な国の一つとされています。

外務省の調査でも、オーストラリアにとって日本は重要なパートナーであると認識されています。

外交使節

両国は、それぞれの大使館や領事館を通じて、外交関係を維持しています。以下に、過去の在日オーストラリア大使を列挙します。

エドワード・ロナルド・ウォーカー（1952年 - 1955年）
アラン・ワット（1956年 - 1960年）
ローレンス・マッキンタイア（1960年 - 1965年）
アレン・ブラウン（1965年 - 1970年）
ゴードン・フリース（1970年 - 1973年）
ミック・シャン（1973年 - 1977年）
ジョン・メナデュー（1977年 - 1980年）
ジェームズ・プリムソル（1981年 - 1982年）
ニール・カリー（1982年 - 1986年）
ジェフ・ミラー（1986年 - 1989年）
ロードン・ダルリンプル（1989年 - 1993年）
アシュトン・カルバート（1993年 - 1998年）
ピーター・グレイ（1998年 - 2001年）
ジョン・マッカーシー（2001年 - 2004年）
ペネロープ・アン・リチャーズ（臨時代理大使）（2004年）
マレー・マクリーン（2004年 - 2011年）
ブルース・ミラー（2011年 - 2017年）
クレア・モニカ・ウォルシュ（臨時代理大使）（2017年）
リチャード・コート（2017年 - 2020年）
ユ・ヘギョン（臨時代理大使）（2020年）
ジャン・アダムズ（2020年 - 2022年）
ピーター・ルウェリン・ロバーツ（臨時代理大使）（2022年）
* ジャスティン・ラウール・ヘイハースト（2023年 -）

日豪関係は、政治、経済、文化など多岐にわたる分野で緊密な連携を維持しており、両国は地域と世界の平和と繁栄に貢献しています。

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