BBCワールドサービス

BBCワールドサービスについて

BBCワールドサービス（BBC World Service）は、イギリスの公営放送局BBCが海外向けに放送を行う国際放送の一形態です。このサービスは、イギリス政府とBBCの協定に基づいて運営されており、外務省からはパブリックディプロマシーの一環とされています。公共放送として、受信料と広告収入を主な財源としていますが、2013年度までは政府からの交付金も受けていました。2011年のデータによれば、BBCワールドサービスの事業規模は約346億円に達するとされ、ラジオ放送は33の言語で、短波およびインターネットを通じて世界中に発信されています。また、テレビサービスはアラビア語とペルシャ語で提供されており、2012年の時点での週間視聴者数は約2700万人に上っています。

歴史

BBCワールドサービスの起源は、1927年にさかのぼります。当初の国際ラジオ放送は「BBCエンパイアサービス」として1932年から開始され、英語による全世界向けの放送が行われました。この放送はその後の第二次世界大戦や冷戦の影響を受け、英語以外の言語による放送が強化され、特に東欧諸国や旧植民地の言語の放送が増えました。日本語の放送もかつて行われていましたが、聴取者数の減少を背景に1991年に終了しました。

2005年以降、BBCは日本市場において自身の事業を広げるために、日本マスメディアへの営業活動を強化しました。また、2005年10月には、10言語の放送が廃止され、2008年には新たにBBCアラビックが、2009年にはBBCペルシャが開局されました。これらはともにニュース専門のチャンネルです。

2011年にはBBCワールドサービス部門での人員削減が発表され、最大で650人の削減が実施される予定となりました。これは政府の予算削減に対応するリストラ策の一環であり、一部の外国語放送が停止されることも明らかにされました。2012年にBBCは、ロンドンのブッシュハウスからブロードキャスティングハウスへ移転し、テレビニュース制作用部門とも合併し、あらゆる報道を複数のメディアでシームレスに提供する体制を整えました。

2016年には、韓国及び北朝鮮向けに朝鮮語放送を開始し、ロシア向けサービスの強化も行われました。2023年7月にはシンガポールにある極東中継局が閉鎖されるなど、変化が続いています。

展開

BBCワールドサービスは、アフリカ、アメリカ、アジアなど、様々な地域で放送を展開しています。アフリカでは英国本土やキプロス、アセンション島から送信されており、アメリカではカリブ海中継所が利用されています。アジア地域においては、かつての植民地シンガポールや香港、オマーンからも中継局が存在しており、日本語の放送も受信されていました。日本語放送では、アナウンサーの多くが日本の放送局から派遣されたプロフェッショナルで構成されており、著名な出向経験者もいます。

まとめ

BBCワールドサービスは、国際的な情報の発信源として、世界中で様々な言語での放送を行ってきました。その財源の仕組みや歴史、展開する地域には多様な背景があり、世界の情報を伝える役割を果たしています。

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