日野・J型エンジン

J型エンジン：日野[[自動車]]の小型・中型車用ディーゼルエンジンの歴史

概要

日野[[自動車]]が製造するJ型エンジンは、小型および中型車両向けの直噴ディーゼルエンジンです。直列4気筒から6気筒までのバリエーションがあり、1992年にW型エンジン、H型エンジンの後継として登場しました。従来のOHV方式からOHC方式への変更や、1997年には世界に先駆けてコモンレール噴射システムの採用など、技術革新を積極的に取り入れてきました。 その高い信頼性から、2004年から2010年にかけてはUDトラックス（旧日産ディーゼル）の中型車にも搭載され、バスへの搭載は2007年まで続けられました。クールEGRシステムやディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)の採用により、厳しい排出ガス規制にも対応しています。また、4気筒、5気筒、6気筒エンジンを同一のボア・ストロークで設計するモジュール化により、生産効率の向上も実現しています。


バリエーションと搭載車種

J型エンジンは、複数の排気量と気筒数を持つ様々なモデルが存在します。主なモデルと搭載車種を以下に示します。


J05C (1995年登場): 直列4気筒、5307cc。レンジャー、デュトロ、トヨタダイナ、トヨタトヨエース、ダイハツデルタトラックなどに搭載。

J05D (2003年登場): 直列4気筒、4728cc。リエッセ、いすゞジャーニーJ、ポンチョ(HX系)、レンジャー、デュトロ、トヨタダイナ、トヨタトヨエース、ダイハツデルタトラックなどに搭載。

J05E: 直列4気筒、5123cc。レンジャー、ポンチョ(HX系)などに搭載。

J07C (1994年登場): 直列5気筒、6634cc。レンジャーなどに搭載。

J07E (2003年登場): 直列5気筒、6403cc。レンジャー、レインボーHR、いすゞエルガJ(2004年以降)、メルファ、いすゞガーラミオ(2004年から2017年まで)、UDコンドル(2011年まで)、日産ディーゼルスペースランナーRM/JP/RP(2007年まで)などに搭載。

J08C (1992年登場): 直列6気筒、7961cc。ダカールラリー参戦車両にも搭載されたターボインタークーラー付きのJ08C-TIは、450ps/76kgmという高出力を発揮しました。レンジャー、メルファ9、メルファ7(CH系)、レインボーHR(2004年までのKK/KL規制車)、レインボーRJ/RR(KC・KK規制車)、レインボー7M(KC規制車)、ブルーリボン(HIMRを含むハイブリッド車および全長9m車)、セレガFC(KC・KL規制車)、日野FD1JLEGなどに搭載。

J08E (2004年登場): 直列6気筒、7684cc。レンジャー、セレガ、いすゞガーラ(全長9m車、2017年まで)、ブルーリボンシティ(ハイブリッド車)、UDコンドル(2010年まで)などに搭載。

J08E-UM: 定格出力170ps、トルク56.0kgf・m。トヨタフォークリフト各種に搭載。

J08E-TM: 定格出力216ps、トルク76.5kgf・m。トヨタフォークリフト4FD240に搭載。


技術的な特徴

J型エンジンは、高い信頼性と耐久性を誇るだけでなく、環境性能にも配慮した設計がなされています。コモンレールシステムの採用による燃焼効率の向上や、排ガス後処理システムの導入により、厳しい環境規制に対応しています。また、モジュール化された設計により、製造コストの削減やメンテナンス性の向上も図られています。


まとめ

J型エンジンは、日野[[自動車]]のディーゼルエンジン技術の粋を集めた、信頼性の高いパワープラントです。長年にわたって様々な車種に搭載され、日本の商用車業界に大きく貢献してきました。その進化の歴史と技術的な特徴を理解することは、日本の自動車産業の歴史を紐解く上で重要な要素となります。


関連項目

日野・H型エンジン
日野・W型エンジン
日野・S型エンジン
* 日野・N型エンジン

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